読書の第一歩 初心者にも読みやすいおすすめ小説15選
読書の楽しみを知りたいけれど、どの本から始めたらいいか迷っている方へ。ここでは、読書初心者でも楽しめる、わかりやすくて面白い小説を厳選して紹介します。
シンプルなストーリー展開でありながら、感情に響く作品や、親しみやすいキャラクターが登場する作品。ドキドキするミステリーやサスペンスなど、読書初心者の方でも楽しめそうな小説を15作品ご紹介。
変な絵
作者:雨穴
<あらすじ>
あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか? とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。
いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる! 今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄の国民的スケッチ・ミステリー!
この絵、ちょっと変……?
ある事件を起こした女の子が描いた絵。日記ブログに投稿された絵。美術教師が死ぬ前に遺した風景画……。さまざまな「絵」に隠された謎を解き明かし、やがて各章が一本につながっていく。映画化もされた「変な家」の作者、雨穴さんのミステリー作品です。
ホラー(お化け)ものではなく事件ものなのでホラーが苦手な人でも楽しめると思います。推理要素も特に難しくなく、謎めいた絵だけでなく絵の謎を解き明かすための図形や表がたくさん出てくるので、小説が苦手な人もサクッと読むことができると思います。
「変な絵」から入っても問題ありませんが、栗原さんなどおなじみの人物や間取り図も登場するので「変な家」の原作や映画を観た人はより楽しめるのではないでしょうか。(30代女性)
西の魔女が死んだ
作者:梨木香歩
<あらすじ>
大好きなおばあちゃんは本物の魔女。生きる力も本物だった――。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。
少女とおばあちゃんの絆の物語
私が小学生の時に初めて読みましたが、文章がめちゃくちゃ読みやすいのでスラスラ読めるし、学校に馴染めない少女と、魔女のおばあちゃんという、物語の設定自体も分かりやすいので、感情移入しやすいです。それにテーマも少女とおばあちゃんの関係性であったり、命の重さや大切さを描いているので、色々と考えさせられて最後には感動してしまうと思う。(30代女性)
「西の魔女が死んだ」の関連テーマ
夜のピクニック
作者:恩田陸
<あらすじ>
高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。
高校生の秘密を取り巻く青春物語
私が小説にハマった思い出深い作品です。図書館で借りて読み終わってどうしても手元に置いていきたくなり文庫本を購入し、今でもたまに読み返したりもします。
高校での歩行祭というイベントを通して描かれる主人公の青春と心の機微が秀逸で爽やかな作品です。
本屋大賞に選ばれた有名な作品ですし、小説を読み慣れてない方にこそお薦めしたい一冊です。(30代女性)
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探偵ガリレオ
作者:東野圭吾
<あらすじ>
突然、燃え上がった若者の頭、心臓だけ腐った男の死体、池に浮んだデスマスク、幽体離脱した少年…警視庁捜査一課の草薙俊平が、説明のつかない難事件にぶつかったとき、必ず訪ねる友人がいる。
帝都大学理工学部物理学科助教授・湯川学、常識を超えた犯罪と謎に天才科学者が挑む。累計1300万部突破、空前絶後の人気ミステリー・シリーズの記念碑的第一作。
変人物理学者の事件の推理
天才物理学者が科学的な根拠から事件の謎を解く推理小説で、テレビドラマでもヒットしたこともあってメジャーで面白い。オカルト的なことを科学の実験で解決するストーリーが、とてもよく練られているように思われる。推理小説は色々あるが、こういった角度からのものは他にないので面白い。またお話ごとに章が区切られるので読みやすい。(20代男性)
容疑者Xの献身
作者:東野圭吾
<あらすじ>
天才数学者でありながら不遇な日々を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。彼女たちが前夫を殺害したことを知った彼は、2人を救うため完全犯罪を企てる。だが皮肉にも、石神のかつての親友である物理学者の湯川学が、その謎に挑むことになる。ガリレオシリーズ初の長篇、直木賞受賞作。
他人の犯罪のために献身する男の物語
この作品が読書をあまりしない若い人にもおすすめできるのは、推理小説なので楽しみながら小説を読めることです。この小説は犯人が誰であるかストーリーの初めの段階でわかるので、犯人捜しをするおもしろさはないのですが、死体の処理方法に関するミステリーが面白いので、最後まで楽しく読めます。映画化もされているので、映画を見たことがある人にもおすすめできます。(40代男性)
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ステップファザー・ステップ
作者:宮部みゆき
<あらすじ>
仕事中に屋根から落ちてしまった泥棒の俺。
大ケガした俺を助けてくれたのはその家に住む中学生の双子の兄弟だ。
ところが二人に弱みを握られた俺は、家出中の両親に代わって父親となるハメに。
家庭生活を始めた俺らを襲う七つの事件。三人で謎解きを始めたが……。
魅力的な謎とユーモアあふれた会話が彩る大傑作!
血よりも濃い親子の絆の物語
育児放棄された双子の少年と、泥棒の主人公が偶然出会い、家族ごっこをするうちに、本物の親子のような絆が芽生えて来るというストーリーです。ジャンル的にはミステリーですが、中学生でも簡単に解けるような軽い謎解きだし、どちらかと言えばホームドラマのような雰囲気です。
2012年には実写ドラマ化もされているので、比較的軽い気持ちで読める作品だと思います。構成も短編の話のオムニバス形式なので、人間関係の大筋は繋がっていますが、1話ごとに少しずつ読めるので、長編が苦手な人でもチャレンジしやすいと思います。(40代女性)
君の膵臓をたべたい
作者:住野よる
<あらすじ>
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。読後、きっとこのタイトルに涙する。
主人公に感情移入しやすいからこそ、読みやすく切なさも感じられる作品
この作品が初心者におすすめなのは、自分が主人公の視点から物語に入り込めるような構成になっているため、世界観に没入できるからです。そして青春と恋愛という、誰もが一度は経験したことがあるテーマが含まれているので共感しやすいというのもポイントです。それでいてありきたりな物語になっているわけではなく、あっと驚く展開の切なさでインパクトを与えてくれます。(30代男性)
「君の膵臓をたべたい」の関連テーマ
つるばら村のパン屋さん
作者:茂市 久美子
<あらすじ>
くるみさんは、つるばら村で、宅配のパン屋さんをしています。おいしいパンを、村じゅうのひとたちに食べてもらえたらいいな……。そう思っているくるみさんのところに、お客さんからパンの注文がありました。きょうもくるみさんは、たっぷり心をこめたパンの生地をねりこんで、ふっくらやきあげます……。おいしいパンのファンタジーをめしあがれ!「つるばら村」シリーズ第1弾。
魔法のパンで夢を叶える優しい物語
自分の店を持つのを夢見てパンを売る女性、くるみさんの人々や動物たちとの交流が描かれています。
一話完結形式で短い話がいくつかまとめられているので飽きずに読めるかと思います。
優しい雰囲気の不思議な物語で、作中に出てくるパンが美味しそうで読んでいて楽しいお話です。
挿絵がまた作品の雰囲気に合った暖かい印象の素敵な絵で表紙を眺めるだけでもいい。
自然の美しい田舎の村でのゆったりとした生活も大きな魅力です。(50代女性)
今宵も喫茶ドードーのキッチンで。
作者:標野凪
<あらすじ>
住宅地の奥でひっそりと営業している、おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」。この喫茶店には、がんばっている毎日からちょっとばかり逃げ出したくなったお客さんが、ふらりと訪れる。SNSで発信される〈ていねいな暮らし〉に振り回されたり、仕事をひとりで抱え込み体調を崩したり……。目まぐるしく変わる世の中で疲れた体と強ばった心を、店主そろりの美味しい料理が優しくほぐします。今宵も「あなたの悩みに効くメニュー」をご用意してお待ちしております。心がくつろぐ連作短編集、開店。
疲れた現代人の癒しの場
短編集のようにあっという間に読み切れる話がいくつかあり、でも全体を通すと登場人物だったりがすべての話で繋がっていて上手くできている小説。
SNSに疲れている人が出てくるといった現代的な物語背景があるため、あまり本を読まずSNSメインとなってしまっている若い世代や初心者にも、最初から読みやすい内容となっているように思います。(30代女性)
和菓子のアン
作者:坂木司
<あらすじ>
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(うめもときょうこ)(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの18歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは? 読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!
日常のほんわかミステリー
デパ地下の和菓子屋さんを舞台にしたほんわかミステリーです。ミステリーと言っても難しいものではなく、和菓子に関連したお話で、和菓子にはそれぞれ意味が込められていることも知ることができ面白いです。私がこの本を読んだのは小説を読み慣れていない頃でしたが、繊細でほんわか心が温まる内容にどんどん引き込まれていき読みやすかったので、初心者の方にもおすすめな1冊です。(30代女性)