狂気と魅力の紙一重:サイコパスが光る小説おすすめ7選

2024年10月2日

おすすめのサイコパス小説

普通では理解できない思考や行動を持つ、ゾクッとするようなサイコパスなキャラクターたち。彼らの存在が、物語に独特のスリルと深みを与え、読み手を引き込むのがサイコパス小説の醍醐味です。そんな異常心理を持つ登場人物たちが活躍する、スリリングで面白い小説を紹介します。

ここでは、サスペンスやスリラー、心理ホラーなど、多岐にわたるジャンルの中から、サイコパスなキャラクターが物語を動かす作品を厳選してご紹介。サイコパスな登場人物たちが織りなす緊迫の物語の世界を堪能してみませんか? 普段味わえないスリルと、登場人物たちの魅惑的な狂気に満ちた一冊を見つける手助けとなりますように。

羊たちの沈黙

作者:トマス・ハリス

羊たちの沈黙

<あらすじ>
獲物の皮を剥ぐことから“バッファロウ・ビル”と呼ばれる連続女性誘拐殺人犯が跳梁する。要員不足に悩まされるFBIが白羽の矢を立てたのは訓練生クラリス・スターリング。彼女は捜査に助言を得るべく、患者を次々に殺害して精神異常犯罪者用病院に拘禁されている医学博士ハンニバル・レクターと対面するが――。1980年代末からサスペンス/スリラーの潮流を支配する“悪の金字塔”!

狂気の殺人鬼博士の魅力満載の物語

ジョディ・フォスター主演、アンソニー・ホプキンス助演で映画化したものが有名ですが、もちろん、原作である本作もすばらしくおもしろいです。
狂気をはらんだ殺人鬼のレクター博士のキャラクターが、文章により、(変な表現ですが)きわめて魅力的に描かれています。
博士が頭脳が明晰である、というのが、その魅力の大きな部分になっています。その魅力がピークに達するのが、博士がその明晰な頭脳をフルに使って、ついには刑務所を脱走するシーンでしょうか。読んでいて、あっと驚いたものです。
それ以外にも、読んでいて、ハラハラドキドキの連続でした。
映画を見た人でも、十分に楽しめる小説だと思います。(60代男性)

方舟

作者:夕木春央

方舟

<あらすじ>
友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。
いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。
生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。

ゾッとする最後の2行

自分が生き残るためには、どんな犠牲も構わず、最後まで冷静に、演技をして嘘をつき続ける。行動力も半端ではなく、たとえ相手が長年の友人であろうと、知り合ったばかりの人であろうと自分が生存する計画のためには、殺人をなんとも思わずにやってのける精神。そして、助かるのだと騙してホッとした人に向け、最後に、ゾッとする真実を伝える性格。恐ろしい人だと思いました。でもなぜか、この人のことを嫌いにはなれない。そんなキャラです。(30代女性)

悪の教典

作者:貴志祐介

悪の教典

<あらすじ>
晨光(しんこう)学院町田高校の英語教師、蓮実聖司はルックスの良さと爽やかな弁舌で、生徒はもちろん、同僚やPTAをも虜にしていた。しかし彼は、邪魔者は躊躇なく排除する共感性欠如の殺人鬼だった。学校という性善説に基づくシステムにサイコパスが紛れこんだとき──。ピカレスクロマンの輝きを秘めた戦慄のサイコホラー傑作。

人気のある教師の恐ろしすぎる裏の顔に戦慄する作品

この小説に出てくるサイコパスは、普段は生徒からも信頼されて人気のある教師なのに、その実態は人を殺すのに何の罪悪感も抱かない恐ろしい裏の顔があります。学校というみんなのいこいの場が、どんどん殺戮の場に変貌していく様子はとてもスリリングで怖かったです。サイコパスが持っている二面性を見事に描き、読者を世界観に引き込む作品だと思います。(30代男性)

学校や一瞬で地獄となる恐怖の物語

イケメンで爽やかで、ハスミンなんて呼ばれて生徒からの人気も絶大な学校の教師が、突如として生徒たちを殺戮しまくる殺人鬼に成り果てる様が本当に恐ろしかったです。もちろん生徒をゲームのように追い詰めて、最終的に散弾銃を撃ったりと終始殺人を楽しんでいる描写も恐ろしいけれど、個人的には事件後の警察に事情を説明してる内容が、本当にこの人ヤバいなって感じて恐ろしかったです。(30代女性)

モンスター

作者:百田尚樹

モンスター

<あらすじ>
田舎町で瀟洒なレストランを経営する絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ扱いされる悲惨な日々。思い悩んだ末にある事件を起こし、町を追われた未帆は、整形手術に目覚め、莫大な金額をかけ完璧な美人に変身を遂げる。そのとき亡霊のように甦ってきたのは、ひとりの男への、狂おしいまでの情念だった―。

ドロドロと醜くも美しい物語

主人公は自身の醜い顔のために周囲の人間から酷い扱いを受けていた。容姿の優れた好きな人に近づくためにコンプレックスである顔を整形して完璧なまでの美人になって戻ってきたが、好きな人は整った顔の主人公を好きになってしまう。「醜い顔のあいつ」という素性を知らせることなく主人公は好きな人に近づく。
顔が綺麗になってもその性格や中身は必ず伴うというわけではないこと、人間の欲はどこまでも尽きることがないことを読んで感じた。(20代女性)

メビウスの殺人

作者:我孫子武丸

メビウスの殺人

<あらすじ>
奇想天外なトリック、新本格渾身の推理! ――大東京を恐怖のどん底につき落とす、連続殺人が発生。犯行は、金槌によるメッタうちと絞殺が交互する。犯人は一人か、あるいは別人か? 現場には常に、謎の数字を記したメモが……。被害者たちを結ぶ「失われた環(ミッシング・リング)」を探せ! ご存じ速水三兄妹がつきとめた、驚愕の真相とは? 奇想天外な推理の新旗手の傑作長編。……奇怪な謎、巧妙な罠、鮮やかな推理!

平成初期のインターネットを使った殺人ゲーム

自分よりも優れている人に自分をまかしてもらうために何のためらいもなく行動してしまうところは、サイコパスの典型かもしれません。平成初期のインターネットなどの情報を踏まえて、タガが外れてしまった人間といった印象を抱きます。主人公はサイコパスではなく3兄弟ですが、殺人事件の犯人を追うために右往左往する姿が印象的です。(40代女性)

すべてがFになる

作者:森博嗣

すべてがFになる

<あらすじ>
孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平と女子学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人に挑む。新しい形の本格ミステリィ登場。

ほんと天才は誰にも理解されない

本書てでてくる、真賀田四季博士は天才科学者であり天才プログラマ、そして多重人格者でもある。彼女は14歳の時、ある理由から孤島・妃真加島にある私立研究所で隔離された生活を送っている。
彼女部屋からでてきたウェディングドレスをまとい両足両腕の切断された死体…その密室殺人事件に遭遇した、那古野大学准教授犀川創平とその学生西之園萌絵が天才の真相にせまるミステリー作品。(30代女性)

「すべてがFになる」の関連テーマ

虐殺機関

作者:伊藤計劃

伊藤計劃

<あらすじ>
9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
 米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ゼロ年代最高のフィクションが電子書籍版で登場。

なかなかのサイコパス軍事もの

もともとは虐殺を行う相手を調べる特殊機関の人間だったが、最終的に自分も相手と同じタイプの人間になります。軍事系が好きだったりCIAが好きな人にあってると思います。しかしそこそこにグロいので、心して読んでください。アニメ映画にもなっていますのでそちらをみていただいてもいいかもしれません。(20代女性)