桜が咲く季節に読みたい!春にぴったりの小説19選

春に読みたい小説

「春」に読みたくなる小説を集めてみました。

春は新しい始まりの季節。桜が咲き、暖かな風が吹くこの時期には、心が弾むような物語や、優しく包み込んでくれる小説がぴったりです。ここでは、春の空気にぴったりな小説を厳選してご紹介します。

春を感じさせる爽やかな青春小説、心が温まるヒューマンドラマ、旅立ちや成長をテーマにした作品など、春ならではの読書体験を楽しめる本。それぞれの小説が持つ魅力や、春という季節にぴったりな理由、そして読後に感じられる余韻、などを楽しめる小説たちです。

春の穏やかな時間を彩る一冊を見つけてみませんか? 心を軽やかにしてくれる物語とともに、新しい季節を迎えましょう。桜の季節。寒い冬が終わり、次第に温かくなる。新生活が始まり、何かが起こりそうな期待ともに不安もある出会いの季節。
桜の季節にぴったりな、春に読みたくなる小説19作品をご紹介します。

春や春

作者:森谷明子

春や春

<あらすじ>
俳句の価値を主張して国語教師と対立した茜。友人の東子に顛末を話すうち、その悔しさを晴らすため、俳句甲子園出場を目指すことに。ふたりのもとには、鋭い音感の持ち主の理香や論理的な弁舌に長けた夏樹らの個性的な生徒が集う。そして、大会の日はやって来た! 少女たちのひたむきな情熱と、十七音で多彩な表現を創り出す俳句の魅力に満ちた青春エンタテインメント!

俳句に情熱を注ぐ女子高校生たちの青春物語

「春や春」は、俳句好きの女子高生・茜が個性豊かな仲間たちと共に俳句同好会を結成し、俳句甲子園に挑戦する青春小説です。
野球やサッカーのような体を動かすスポーツと違い、趣向を凝らした俳句を自作して勝利を目指す知能戦的展開がとにかく熱い!わずか17文字の中に様々な表現技法を盛り込む奥深さがあって、本書を読めば俳句の魅力がたっぷり伝わってきます。
作中に登場するキャラクターはみんな思わず応援したくなるエネルギッシュな子たちばかりなので、社会人の方も彼女たちの成長を通して春満開の学生時代に戻れるでしょう。(40代男性)

小説 秒速5センチメートル

作者:新海誠

小説 秒速5センチメートル

<あらすじ>
「桜の花びらの落ちるスピードだよ。秒速5センチメートル」。いつも大切なことを教えてくれた明里、彼女を守ろうとした貴樹。二人の恋心の彷徨を描く劇場アニメーション『秒速5センチメートル』を監督自ら小説化。

叶わない初恋と世界(人生)の美しさ

主人公(遠野貴樹)と主人公の人生に関わる女性(篠原明里、澄田花苗、水野理紗)の出会いと思い出と別れが描かれている。アニメ映画が先に公開された本作だが、アニメの繊細な風景描写に負けないぐらい丁寧に登場人物の心情描写がなされている。
日本人にとって出会いや別れを想起させる桜の花の描写が盛り込まれており、読後は感傷的な感情が心を埋め尽くすような作品で、桜の季節になるとときどき読み返したくなる。(30代男性)

少女は卒業しない

作者:朝井リョウ

少女は卒業しない

<あらすじ>取り壊しの決まっている地方の高校、最後の卒業式の一日。少女7人が迎える、それぞれの「別れ」を、瑞々しく繊細に描く。切なくも力強いメッセージが光る全7話。

高校生の青春が詰まっています。

自分の高校生活や卒業式を思い出します。まるで過去に戻ったような感覚で、最後まで読み進める事が出来ました。高校生特有の純粋な疑問や、若いエネルギーを取り戻したいと思う反面、過去を振り返る事の楽しさは今ならではの喜びですね。
前向きになれる結末は、読み終えた後にも余韻を残します。表現も描写も良かったです。(20代女性)

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君の膵臓をたべたい

作者:住野よる

君の膵臓をたべたい

<あらすじ>
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていて――。読後、きっとこのタイトルに涙する。

青春の宝の時間を回顧する物語

物語の情景に桜がとても多いので、春のイメージ満載の小説だと思います。ヒロインの名前も山内桜良ということで、これも桜の季節にとても合うのです。
物語は膵臓を患っていたヒロインの余命に付き合っていく「僕」とそのヒロインの人間的成長物語で、涙なしでは読めないとてもピュアな作品です。ヒロインと生きた青春の時間の美しさを、これほど秀逸に表した作品は数少ないと思います。(60代男性)

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旅屋おかえり

作者:原田マハ

旅屋おかえり

<あらすじ>
あなたの旅、代行します! 売れない崖っぷちアラサータレント“おかえり”こと丘えりか。スポンサーの名前を間違えて連呼したことが原因でテレビの旅番組を打ち切られた彼女が始めたのは、人の代わりに旅をする仕事だった――。満開の桜を求めて秋田県角館へ、依頼人の姪を探して愛媛県内子町へ。おかえりは行く先々で出会った人々を笑顔に変えていく。感涙必至の“旅”物語。

誰かの気持ちを届けに旅に出る物語

主人公が色々な町に赴き、色々な人との出会いと別れが悲しくもあり、代わりに旅を代行できたこと、目的の人に会えたことが嬉しくもあり、心理描写に惹き込まれます。
1番最初の旅に桜がでてくるせいかも知れません。毎年、春になると何となく読み返したくなります。在り来りかも知れませんが、出会いと別れの季節だからです。(30代女性)

春期限定いちごタルト事件

作者:米澤穂信

春期限定いちごタルト事件

<あらすじ>
小鳩くんと小佐内さんは、恋愛関係にも依存関係にもないが互恵関係にある高校1年生。きょうも2人は手に手を取って清く慎ましい小市民を目指す。それなのに2人の前には頻繁に奇妙な謎が現れる。消えたポシェット、意図不明の2枚の絵、おいしいココアの謎、テスト中に割れたガラス瓶。名探偵面をして目立ちたくないというのに、気がつけば謎を解く必要に迫られてしまう小鳩くんは果たして小市民の星を掴み取ることができるのか? 新鋭が放つライトな探偵物語。

高校生の決して甘くはない、少しビターな青春ミステリー

「小市民シリーズ」の第一弾に当たる作品であり、たまたま私が初めて読んだのが春っていうこともあり、やっぱり春に読みたくなる作品です。
米澤穂信さんというと「氷菓」が有名ですが、こちらの作品では小鳩くんも小左内さんも、大人しそうに見えて結構性格が悪いのが良い。特に小左内さんの食べ物の恨みは怖い。すごく親近感が湧く青春ミステリーだなって思ってます。(30代女性)

日曜は憧れの国

作者:円居挽

日曜は憧れの国

<あらすじ>
内気な中学2年生・暮志田千鶴は、母親の言いつけで四谷のカルチャーセンターで講座を受けることになる。退屈な日常が変わることを期待して料理教室に向かうと、明るく子供っぽい桃、ちゃっかりしたリアリストの真紀、堅物な優等生の公子と出会う。4人は偶然にも同じ班となり、性格の違いからぎくしゃくしつつも、調理を進めていく。ところが、教室内で盗難事件が発生。顛末に納得がいかなかった4人は、真相を推理することに。性格も学校もバラバラな四人の少女が、カルチャーセンターで起こる様々な事件の謎に挑む! 新鋭が贈る、課外活動青春ミステリ。

少女たちの青春ミステリー

何か夢中になったり、趣味になるようなものを見つけたいと通い出したカルチャースクールで、たまたま出会った同世代の少女たちが、日常モノのミステリーを解決していくところが面白いし、個性もバラバラと言う中で、事件を通して仲良くなっていくさまが、青春でもあり、新たな人生のスタートって感じがして、春に読みたくなります。(30代女性)

給食のおにいさん

作者:遠藤彩見

給食のおにいさん

<あらすじ>
コンクールで優勝するほどの腕をもちながら、給食調理員として働くことになった料理人の宗。子供嫌いな彼を待っていたのは、保健室登校生や太ってしまった人気子役など問題を抱える生徒ばかり。さらにモンスターペアレントまで現れて。すべてのトラブルは、「調理場」で解決! 笑いと感動そしてスパイスも効いた食育&青春小説。

給食調理を通しての人間的成長

コンクールで優勝をするほどの腕をもちながら、給食調理員として働くことになった料理人の佐々目宗。子供嫌いで、給食調理に対しても思うことが沢山あり、周りの反感を買ってしまう振る舞いもしてしまいます。
そんな彼は、給食を食べる子供達の様々な問題に直面します。その問題をどうにか解決しようと食と向き合い、人と向き合い、彼自身が成長していく物語です。

この本は現在5巻まで出ており、2巻目からは「給食のおにいさん」の下に「進級」や「卒業」など彼自身が成長しているのが分かるタイトルになっているのもおすすめの一つです。春は何かに挑戦し、成長していく季節だと考えています。そんな季節に背中を押してくれる小説だとも言えます。(10代女性)

「手紙屋」蛍雪篇 私の受験勉強を変えた十通の手紙

作者:喜多川泰

「手紙屋」蛍雪篇 私の受験勉強を変えた十通の手紙
《あらすじ》を見る

たった10通の手紙があなたのやる気を引き出す物語

受験生にもかかわらず勉強をする気が起きない主人公が、「手紙屋」と文通を始める物語。
手紙屋は10通のやりとりで主人公の勉強欲を刺激するが、その方法が面白い。最初はやる気のなかった主人公が、10通終わるころには勉強がしたくて仕方ない状態にまで誘導させられるさまは、何度読み直しても見事に思える。
春は新学期・新生活の時期で、新しいことにチャレンジする際の準備期間に読みたくなる。(20代女性)

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和菓子のアン

作者:坂木司

和菓子のアン

<あらすじ>
デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働き始めた梅本杏子(うめもときょうこ)(通称アンちゃん)は、ちょっぴり(?)太めの18歳。プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは? 読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!

可愛いアンちゃんのほっこり成長物語

進路がはっきりせず、アルバイトとして働き始めたデパ地下の和菓子店で色んな従業員やお客さん、そして和菓子と出会い、少しずつ成長していく主人公の姿を見ていると、自分も一歩ずつ頑張ろうと思えます。新しいことを始めたり、新しい出会いのある春という季節に自分の背中を少し押してくれるような作品になっていると思います。(30代女性)

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