感極まる!切なくて泣けるライトノベル
ライトノベルはラブコメや異世界転生、バトル物が多いイメージですが、読むと切なくなる作品や泣ける作品もあります。そんな切なくて泣けるラノベ10作品ご紹介します。
「半分の月がのぼる空」橋本紡
これぞライトノベルの金字塔! 2003年、電撃文庫より刊行が開始されたこの『半月』シリーズは、またたく間にライトノベルファンにとどまらない広範な読者を獲得しました。そして2013年、装いも新たに刊行された文春文庫全4巻は、主人公たちの台詞を物語の舞台、伊勢弁に改めたリメイク版です。肝炎で入院中の高校生・戎崎裕一は、エロ本集めが趣味の多田さんや元ヤンキーの看護師・亜希子さんに翻弄される日々の中で、同い年の秋庭里香に出会う。人形のように美しく、本を愛し、そして女王様のようにワガママな里香は、難しい病気をかかえていた――。
限りある命の大切さ、その間に存在する日常のありがたみを痛感できる作品
この作品は、主人公とヒロインが病院で出会い、話し相手から少しずつ距離を縮めていく過程が丁寧に描かれています。しかしヒロインの病気が重症だということが判明してから一期に泣ける雰囲気になります。どうにかしてあげたいけど自分はなにもすることができない、そんな主人公の葛藤と、最後の二人の決意は涙なしでは見られませんでした。(20代男性)
大切な何かに気づける作品
肺炎で入院中の裕一と、ある理由で知り合いとなった同じく患者の里香の物語です。
初めは心を閉ざしていた里香ですが、徐々に裕一に心を許していくところが大好きです。
本当に純粋に想いあう二人から目が離せなくなり、一気に読み込んでしまった作品でした。
後半は流れが変わり、心臓がきゅーっとなるぐらい切ないんですが、本当に読んでよかったです。(30代女性)
「君は月夜に光り輝く」佐野徹夜
大切な人の死から、どこかなげやりに生きてる僕。高校生になった僕のクラスには、「発光病」で入院したままの少女がいた。月の光を浴びると体が淡く光ることからそう呼ばれ、死期が近づくとその光は強くなるらしい。彼女の名前は、渡良瀬まみず。
余命わずかな彼女に、死ぬまでにしたいことがあると知り…「それ、僕に手伝わせてくれないかな?」「本当に?」この約束から、止まっていた僕の時間がふたたび動きはじめた――。
恋愛小説を超えた物語
恋愛としてはもちろん切なさや心理接写が非常にリアルで、読んでいても痛い程に登場人物の気持ちが伝わり感情移入できました。
また、自分にとって何が大切なのかを再確認させてもらえましたし、周りにいる大切な人をもっと大切にしていこうといった感情を抱く事ができたので、この先も後悔しないように人生を楽しんだり、送っていきたいと純粋に思えました。(40代男性)
「二度めの夏、二度と会えない君」赤城 大空
突如転校してきた森山燐は不治の病を患っていた。俺は彼女と共に、ライブを演り、最高の時間を共に過ごし…そして、燐は死んだ。俺に残されたのは、取り返しのつかない、たったひとつの後悔―決して伝えてはいけなかった言葉。俺があんなことを言いさえしなければ、きっと、燐は最後まで笑顔でいられたのに…。―二度めの夏。タイムリープ。俺はもう一度燐と出会う。あの眩しい笑顔に再び。ひと夏がくれた、この奇跡のなかで、俺は自分に嘘をつこう。彼女の短い一生が、ずっと笑顔でありますように…。
忘れていた気持ちを思い出せてくれる
読んでいても自分にとって大切な人を更に大切にしたくなるような感覚になれましたし、自分がその大切な人に何をしてあげたり何ができるかなどを改めて振り返ることができたので、非常に感じるものが多かったです。また、青春時代の淡い気持ちも思い出すことができましたし、懐かしさも感じつつ忘れていた気持ちも思い出せるので、非常におすすめです。(30代男性)
「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」鴨志田一
――ねえ、キスしよっか。そう言って僕をからかってきた彼女は、しばらくして僕の前から消えてしまった。
図書館にバニーガールは棲息していない。その常識を覆し、梓川咲太は野生のバニーガールに出会った。しかも彼女はただのバニーではない。咲太の高校の上級生にして、活動休止中の人気タレント桜島麻衣先輩だったのだ。数日前から彼女の姿が“周囲の人間に見えない”という事象が起こり、図書館でその検証をしていたという。咲太は麻衣に協力する名目で彼女とお近づきになるが――? 海と空に囲まれた町で、僕と彼女の恋にまつわる物語が始まる。
思春期症候群に翻弄されながらも乗り越えていく青春ブタ野郎
どこか不思議な感覚を抱かざるを得ない作品です。最初は、桜島麻衣先輩の読めない言動に翻弄され、思わせぶりな物言いにときめくことも度々あります。しかし、物語が次第に核心へと突き進んでいくととに、ときめきは切なさへと形を変えていくのです。個人的に、そのあたりの表現が気に入りました。号泣というより気がついたらスっと涙が零れ落ちるイメージがあります。(20代女性)
「ミミズクと夜の王」紅玉いづき
<あらすじ>
魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。―それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。
登場人物が皆優しいファンタジー
ファンタジーな世界ではよく出てくる魔王と少女の物語です。ですが普通のファンタジーではなく読みながら色々考える事ができる内容となっています。この少々がなぜ魔王のいる森へ入っていったのか。魔王はどうして少女を殺さないのかなど考えて読むと更に楽しめます。最後はどうなるんだろうとハラハラしましたが登場人物達の優しさにウルっとしてしまいました。(30代女性)
「ファンタジー」関連の小説
「異世界落語」朱雀新吾
剣と魔法の世界・ターミナルは魔族の侵攻により滅亡の危機を迎えていた。
近隣諸国は皆侵攻され、残されたのは
光の血筋を受け継ぐと言われている、サイトピア国のみ。
そんな絶望的状況を打破すべくサイトピア王が下した命は、
異世界から救世主を召喚する事。
大臣より指令を受けた宮廷視聴者のダマヤは、
天才召喚師クランエと共に救世主召喚を試みる。
「サムライ」「ニンジャ」「リキシ」等、異世界には様々な特殊技能を
持つ者が存在する。
宮廷執務室では皆期待を胸に、ダマヤの報告を待っていた。
だが、ダマヤが召喚して連れてきたのは「キモノ」という見慣れない
装備をまとった一人の男。
彼は……「ハナシカ」であった。
――そう。これは、一人の噺家が落語で世界を救う物語である。
召喚された落語家をめぐる異世界の日常と冒険
異世界を救うために「うっかりミス」で召喚された主人公、落語家の楽々亭一福。
召喚先の異世界は日本語が通じる世界だったので、得意の話術で現地の人々を魅了していく一福はこの世界の者たちも色々なものを背負って生きていて、それゆえ「笑い」を楽しんでくれることに気づき、異世界で居場所や存在価値を見い出していきます。
落語家が主人公ですので、笑いの要素も多い作品ですが、人情話や泣ける展開や悲しいエピソードも織り込まれた、様々な感情のつまった感動のライトノベル作品です。(40代女性)
「サヨナラ自転車」櫻川さなぎ
<あらすじ>
抱きしめていい?…最後に、一度だけ。横須賀北陽学園高校2年、亜優・俊輔・拓己は幼なじみ。いっしょにいる時間はいつも楽しくて、せつなくて、哀しくて…。電子書籍大賞2013エブリスタ特別賞受賞作品。
優しさが紡ぐ青春ドラマ
幼馴染みの俊輔、拓己、そして亜優は小学校からの幼馴染み。亜優が転校してきたところから物語が始まる。人見知りしてしまう亜優だが、近所で同い年の少年で、明るくムードメーカの俊輔とクールで物静かな拓己と性格は真反対だがとても気の合う2人が迎え入れてくれたお陰で、すぐに打ち解け、いつも一緒に行動する事が増えていく。そのままずっと変わらず仲良くいられるはずだった…。(30代女性)
「探偵はもう、死んでいる。」二語十
第15回MF文庫Jライトノベル新人賞《最優秀賞》受賞作
「君、私の助手になってよ」
四年前、地上一万メートルの空の上で聞いた台詞から、俺と彼女の物語は始まり――終わった。
俺・君塚君彦は完全無欠に巻き込まれ体質で、謎の黒服に謎のアタッシュケースを持たされたあげく、ハイジャックされた飛行機の中で、天使のように美しい探偵・シエスタの助手となった。
それから――
「いい? 助手が蜂の巣にされている間に、私が敵の首を取る」
「おい名探偵、俺の死が前提のプランを立てるな」
俺たちは、世界中を旅しながら秘密組織と戦う、目も眩むような冒険劇を繰り広げ――
やがて死に別れた。
一人生き残った俺は高校生になり、再び日常というぬるま湯に浸っている。
なに、それでいいのかって?
いいさ、誰に迷惑をかけているわけでもない。
だってそうだろ?
探偵はもう、死んでいる。
上空1万メートルから始まるミステリー
死んだ名探偵を助手と仲間たちが生き返らせるためにとても強い敵にも立ち向かって行くところや、どんな事件でも起きる前から解決している名探偵が一つだけ間違えたことを助手が正していくというストーリーがとても感動した。
名探偵がすでに死んでいるからこそ、たまにある名探偵と助手の絡みがとても楽しく、少し悲しいものになっている。(10代男性)
「とらドラ!」竹宮ゆゆこ
桜舞う四月。高校二年。新しいクラス。目つきは悪いが普通の子、高須竜児は、ちっちゃいのに凶暴獰猛、”手乗りタイガー”と恐れられる逢坂大河と出会う。そして彼女は知ってはいけない秘密を知ってしまい――。それが竜虎相食む恋の戦いの幕開けだった! いつもにこにこ、超マイペ-ス娘の櫛枝実乃梨、文武両道、勤勉実直、だけどちょっとずれているメガネ委員長、北村祐作も絡み、どこか変なメンツによる恋はすんなりいくはずもなく……!? 『わたしたちの田村くん』の竹宮ゆゆこ&ヤスが贈る超弩級ラブコメ登場!
高校生活の甘酸っぱい物語
とらドラ!は高校生の友情、恋愛、悩みなどを中心に描かれたストーリーになります。主人公は目つきの悪いことを悩んでいる男の子で、ヒロインは手乗りタイガーというあだ名の小さいけれでも強気な女の子になります。
元々お互いの友人を好きで、協力し合うけれども、一緒に過ごすことで惹かれあっていく、けれでも友人のためにも気持ちを隠して過ごす、そんな切ないけれども応援したくなるような物語です。個人的にはクリスマス、修学旅行、バレンタインと物語後半部分は涙涙です。ぜひ見てみてください!(20代男性)
「とらドラ!」の関連テーマ
「宝石商リチャード氏の謎鑑定」辻村七子
<あらすじ>
酔っ払いに絡まれる美貌の外国人・リチャード氏を助けた正義。彼が国内外に顧客をもつ敏腕宝石商と知り、誰にも言えない曰くつきのピンク・サファイアの鑑定を依頼する。祖母が死ぬまで守っていたその宝石が秘めた切ない“謎”がリチャード氏により解かれるとき、正義の心に甦るのは…?美しく輝く宝石に宿る人の心の謎を鮮やかに解き明かすジュエル・ミステリー!!
心をやわらかくする優しい物語
美貌のイギリス人宝石商リチャードと、普通の大学生・正義が、銀座の宝石店をおとずれるお客さんたちの謎を解き、心をほぐして行く物語です。
お客さんの中にはさまざまな家族の形や、ジェンダー、愛情や友情についての考えを持っているひとがいて、誰かひとりには共感できるでしょう。
リチャードと正義の過去や家族関係もなかなか大変なものなのですが、お互いの問題に一生懸命向き合うことで、絆を深めるふたりに思わず涙してしまいます。(40代女性)