ホラー初心者も安心、怖さレベル付きおすすめのホラー小説17選
オススメのホラー(恐怖)小説をご紹介します。ホラーが少し苦手という人は怖さレベルが付いてますので参考にしてみてください。
- ★レベル1.それほど怖くない。ホラー初心者にもお勧め
- ★★レベル2.ちょっと怖い。ホラー初心者もなんとか読めそう
- ★★★レベル3.まあまあ怖い。ホラー初心者には厳しいかも
- ★★★★レベル4.結構怖い。ホラーが好きな人向け
※怖さの感覚は人によって全然違いますので、目安として参考にしてください
- 2024/2/27 「オカルトちゃんねる」を追加
「天帝妖狐」乙一
怖さレベル:★
<あらすじ>
とある町で行き倒れそうになっていた謎の青年・夜木。彼は顔中に包帯を巻き、素顔を決して見せなかったが、助けてくれた純朴な少女・杏子とだけは心を通わせるようになる。しかし、そんな夜木を凶暴な事件が襲い、ついにその呪われた素顔を暴かれる時が…。表題作ほか、学校のトイレの落書きが引き起こす恐怖を描く「A MASKED BALL」を収録。
こっくりさんで起こった物語
「こっくりさん」をキッカケに起こった出来事を描いたストーリーです。
こっくりさんは、昔からある心霊話なので知っている人も多く、すんなりと小説の世界観が入ってきます。冒頭は1人の女性に宛てた手紙から始まりますが、読み進めていくと、この手紙の意味が次々とわかってきて、もう1度この手紙を読み返してしまいました。(30代女性)
「ぼっけえ、きょうてえ」岩井志麻子
怖さレベル:★
「教えたら旦那さんほんまに寝られんよになる。……この先ずっとな」時は明治、岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。
人間が一番きょうてえ
岩井志麻子さんと言えば、ヒョウ柄の着ぐるみに身を包んで下ネタを連発する、変わった女性タレントと認識されている方もおられるかもしれませんが、本業は作家です。
そして、この作品は日本ホラー大賞、山本周五郎賞も受賞した岩井志麻子さんの代表作です。妖怪や幽霊が出てくるホラーというよりは、人間の悲しさを表した怖い話です。
結局、何者より生きている人間が一番怖い!明治の岡山のねっとりしっとりとした湿度と閉塞感を感じながら、綴られている岡山弁に酔いしれながら読んで欲しいです。(40代女性)
「玩具修理者」小林泰三
怖さレベル:★
玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも……死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く……。現実なのか妄想なのか。生きているのか死んでいるのか――その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。
生物と無生物の違いを考えさせられる、グロテスク系ホラー小説
この話には幽霊や呪いなどはでてきません。ただ、何でも直すことができるという得体の知れない人物と、得体の知れない彼の家で行われる不条理な出来事がジワジワと恐怖をあおります。それを目撃した子供目線での観察による回顧話としてストーリーが進んでゆくので、良く分からないことも受け入れてしまう子供の残酷な無邪気さと、つじつまの合わない気持ち悪さとを感じながら一気に読んでしまった作品でした。(40代女性)
「オカルトちゃんねる」lpp
怖さレベル:★
<あらすじ>
WEB発の大人気オカルトミステリー、待望の書籍化!
オカルトスレッドに書き込まれた「たすけて」の文字。それが世間を震撼させる事件に発展するなんて、誰も思っていなかった――ネットに書き込まれた事件を最強霊能力者が解決!? 新感覚オカルトミステリー!
オカルト板を眺めていたらリアルタイムで心霊現象が起こった
2ちゃんねるのオカルト板に投稿された「たすけて」からリアルタイムで進む物語。皆が「やばい」「本物だ」と危惧するなか、ひとりの男が心霊現象を解決していく物語。
物語は複数回用意されていて、物語が進むに連れてその男はオカルト板で有名になっていく。時にはその男がオカルト板に助けを求め、オカルト板に張り付いていた皆も考察したり助言したりと祭り状態が味わえる楽しさがある。(30代男性)
「向日葵の咲かない夏」道尾秀介
怖さレベル:★★
<あらすじ>
明日から夏休みという終業式の日、小学校を休んだS君の家に寄った僕は、彼が家の中で首を吊っているのを発見する。慌てて学校に戻り、先生が警察と一緒に駆け付けてみると、なぜか死体は消えていた。「嘘じゃない。確かに見たんだ!」混乱する僕の前に、今度はS君の生まれ変わりと称するモノが現れ、訴えた。―僕は、殺されたんだ。半信半疑のまま、僕と妹・ミカはS君に言われるままに、真相を探る調査を開始した
じわじわと迫りくる違和感
級友の”Sくん”が首つり自殺をしているところを偶然発見してしまった”ぼく”。しかし、忽然と死体は消え、Sくんは蜘蛛の姿になってぼくの元に現れる。消えた死体の謎を探すため、ぼくとSくんと妹で謎を解いていくが…読んでいくにつれ少しずつ感じる違和感と、衝撃の結末にぞわぞわします。奇妙な感覚になる一冊です。(20代女性)
「向日葵の咲かない夏」の関連テーマ
「パラサイト・イブ」瀬名秀明
怖さレベル:★★
<あらすじ>
事故で亡くなった愛妻の肝細胞を密かに培養する生化学者・利明。Eve1と名付けられたその細胞は、恐るべき未知の生命体へと変貌し、利明を求めて暴走をはじめる――。空前絶後の着想と圧倒的迫力に満ちた描写で、読書界を席巻したバイオ・ホラー小説の傑作。
ミトコンドリアが意志を持つホラーストーリー
現代のコロナパンデミックは、オリジナルのコロナ株から、どんどん新しい株が派生していきました。それはまるでコロナ株が意志を持っているかのようです。パラサイトイブは、本来なら単なる人間の細胞の1つであるミトコンドリアが意志を持ち、増殖し、人間界をおびやかすという小説です。目に見えないミトコンドリアがひたひたと人格を形成していく姿が恐ろしいです。この小説は日本ホラー小説大賞を受賞しています。(40代女性)
「姑獲鳥の夏」京極夏彦
怖さレベル:★★
<あらすじ>
「二十箇月もの間子供を身籠っていることができると思うかい?」。昭和27年の夏、三文文士の関口巽(せきぐちたつみ)は東京は雑司ケ谷にある久遠寺(くおんじ)医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたというその夫・牧朗は関口の旧制高校時代の1年先輩だった。
人の本質は昔から変わらない。
日本の夏の湿度を作品から感じられます。現実に起こる奇妙な事件との落とし所を拝み屋である京極堂が日本の妖怪の話を交えながら解決へと導きます。空想上の妖怪も元は人間を風刺した物もあります。登場人物も個性豊かで、京極堂シリーズ一作目である姑獲鳥の夏から後の作品まで関係している部分も伏線で出てくる所も作品のクオリティが素晴らしいと思います。(40代女性)
「姑獲鳥の夏」関連テーマ
「黒いピラミッド 聖東大学シークレット・ファイル」福士俊哉
怖さレベル:★★
将来を嘱望された古代エジプト研究者の男が、教授を撲殺し、大学屋上から投身自殺した。「黒いピラミッドが見える……あのアンクは呪われているんだ」
男の同僚の日下美羽は、彼が遺した言葉をヒントにエジプトから持ち込まれた遺物"呪いのアンク"の謎を追う。
次々に起きる異常な事件。禁断の遺跡にたどり着いた美羽を待ち受けるのは、想像を絶する恐怖と、"呪い"の驚くべき秘密だった。
第25回日本ホラー小説大賞受賞作。
エジプトの呪いから始まるホラー
古代エジプトの謎の遺物を手に入れた事で呪いにかかり惨事が起きていく少しオカルト要素の入ったホラー小説です。主人公がその謎に迫るのですが前半後半と分かれており前半は日本での話。後半はエジプトでの話になっています。特に後半はどんどん面白くなっていきエジプトの呪いより更にスケールの大きい話になっていきます。SFとホラーが合わさった面白い作品です。(30代女性)
「残穢」小野不由美
怖さレベル:★★
この家は、どこか可怪しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が…。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢れ」となり、感染は拡大するというのだが―山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!
残った穢れの正体を探すリアリティあるホラー
普通のホラーだと、幽霊が出て来て…その呪いを解くために、スポットなんかに行って…お祓いをして、怖い目にあって…という流れだと思います。しかしこのお話は、どうしてそこで「出来事」が起こるのか。それを解明していくお話になります。じわじわと煽ってくる恐怖感は、とても身近なものに感じられて、最高の盛り上がりどころがないのに、ずっと不快感のような、気持ちの悪い怖さが付きまとうのが個人的には好きでした。(30代女性)
「異端の祝祭」芦花公園
怖さレベル:★★
甘い言葉にご用心、と心得るような怖さがひしひしと近づいてくるホラー。
就活浪人生となった島本笑美は、幼い頃から生きている人間とそうではないものの区別がつかないことが就活に関係しているのではないか、と思っていた。そんななか、ダメ元で応募したモリヤ食品の面接で”ヤン”と名乗る青年と出会い、その後、内定を得て研修らしきものに参加するようになる。島本笑美が就職後、連絡を取れなくなったことから彼女の兄が、心霊専門の佐々木事務所に彼女を取り戻すことを依頼し、佐々木事務所の佐々木と青山が調査し始める。
この作品では、怪異による怖さというよりも、人が誰かを洗脳した時、洗脳された人がどうなってしまうのか、ということが描かれている。また、民俗学や宗教のことなどにも通じるようなことも語られていることも合わさって、目に見えないものの恐怖であったり、不気味さを楽しめる作品。(30代女性)