胸弾む幻想世界へ! おすすめのファンタジー小説15選

2022年6月8日

オススメ!ファンタジー小説

一言でファンタジー小説と言っても王道の中世ヨーロッパ風のファンタジーから、和風ファンタジーや中華風ファンタジーなど多種多様なものがあります。今回はおすすめの人気ファンタジー小説を集めて観ました。ワクワクと心躍る空想の世界をお楽しみください。

獣の奏者

作者:上橋菜穂子

獣の奏者

<あらすじ>
児童文学のノーベル賞にあたる、国際アンデルセン賞作家賞受賞! 世界的注目作家の新たなる代表作。リョザ神王国。闘蛇村に暮らす少女エリンの幸せな日々は、闘蛇を死なせた罪に問われた母との別れを境に一転する。母の不思議な指笛によって死地を逃れ、蜂飼いのジョウンに救われて九死に一生を得たエリンは、母と同じ獣ノ医術師を目指すが――。苦難に立ち向かう少女の物語が、いまここに幕を開ける!

人に馴れないはずの獣と心を通わせ、共に成長する少女の物語

獣の奏者は、エリンという少女が主人公の物語です。
好奇心旺盛なエリンは、人には馴れないとされる獣が何を考えどう生きているのか知りたくて、さまざまな試行錯誤を繰り返していきます。そうして、王獣というこの物語上における架空の獣と次第に心を通わせていきます。登場人物達の心的描写が、人間らしくリアリティのある表現で描かれており、非常に没入感のある作品です。

テレビアニメからこの作品を知りましたが、アニメでは描かれていないエリンの歩む一生が詰まっているので、読み終わった後は、まるで一つの大河ドラマを見た後の様な、壮大なスケール感を感じます。読んでいる間、その場面や情景が頭にイメージとして浮かびましたし、エリンの生き様には心を打たれました。特に物語後半、母としてのエリンは子供に何を伝えられるか模索する姿には胸が熱くなりました。(20代女性)

「獣の奏者」の関連テーマ

アルスラーン戦記

作者:田中芳樹

アルスラーン戦記

<あらすじ>
猛勇なる騎士軍団を誇り、不敗の国王が君臨するパルス王国。蛮族ルシタニアとの戦いでも、その勝利を疑う者はなかった。だが、味方の裏切りから、軍団は一日にして崩壊。王国は滅亡してしまう。からくも生き残った王太子アルスラーンは、勇者ダリューンや軍師ナルサスらとともに故国奪還を目指すが…。壮大な歴史ファンタジー・シリーズ第一弾。

新しい時代を築いた英雄たちの物語

中世の時代に侵略された国を取り戻すため主人公アルスラーンと仲間達が奮闘する物語。
主人公のアルスラーンは国の王子でありながら温厚で繊細だが困難に立ち向かう芯の強さも秘めている少年。仲間に恵まれ困難を乗り越えることで学習成長していく姿は理想の人物像をイメージさせる。奴隷制度を廃止したり貴族の既得権益を廃止したりと改革にいそしみ市民に愛されるキャラクターとして描かれています。(40代男性)

黄金の羅針盤(ライラの冒険)

作者:フィリップ・プルマン

黄金の羅針盤

《あらすじ》
両親を事故で亡くし、オックスフォード大学寮に暮らすライラは、明るく活発な少女。連れ去られた友だちと、監禁されてしまった北極探検家のおじを救うべく、ライラは黄金の羅針盤をもって北極に旅立つ…。カーネギー賞受賞作。

独特な世界観の中で、少女が冒険に出る物語

普通の現実とは似ている部分があっても、ダイモンと呼ばれる精霊がいる少し異なる世界観が独特で良かった。その中で、主人公の少女のライラの周囲で様々なことが起きるので、彼女が一体どんなことに巻き込まれていくのかストーリー展開がとても気になった。また、そうしたことを通じて主人公にも変化があるので、面白かった。(30代女性)

十二国記

作者:小野不由美

十二国記

<あらすじ>
「お捜し申し上げました」──女子高生の陽子の許に、ケイキと名乗る男が現れ、跪く。そして海を潜り抜け、地図にない異界へと連れ去った。男とはぐれ一人彷徨(さまよ)う陽子は、出会う者に裏切られ、異形(いぎょう)の獣には襲われる。なぜ異邦(ここ)へ来たのか、戦わねばならないのか。怒濤(どとう)のごとく押し寄せる苦難を前に、故国へ帰還を誓う少女の「生」への執着が迸(ほとばし)る。

中華風異世界骨太ファンタジー

はじめは元祖、異世界転生モノかなと思いきや、なんと逆パターンで、本来その異世界に生まれるはずだった命が悲しくも日本にやってきてしまった、という発想が奇想天外で、でもすごく筋が通ってて受け入れられるストーリーだった。
初めの1冊目は主人公が女子高生で、異世界を冒険する中でたくさんの悲しみや怒りや虚しさに触れつつ、成長するストーリーで、共感できる。

烏に単は似合わない(八咫烏シリーズ)

作者:阿部智里

烏に単は似合わない

人間の代わりに「八咫烏」の一族が支配する世界「山内」では、世継ぎである若宮の后選びが今まさに始まろうとしていた。朝廷での権力争いに激しくしのぎを削る四家の大貴族から差し遣わされた四人の姫君。春夏秋冬を司るかのようにそれぞれの魅力を誇る四人は、世継ぎの座を巡る陰謀から若君への恋心まで様々な思惑を胸に后の座を競い合うが、肝心の若宮が一向に現れないまま、次々と事件が起こる。

《あらすじ》を見る

八咫烏と猿の戦いを描く和風ファンタジー

人間界とは別に八咫烏たちの世界が存在していて、そこには同じように階級がある。日嗣の御子と呼ばれる皇太子の妃決めから物語が始まる。よくある妃になるためのドロドロの戦いかと思いきや、読み進めていくと思いがけない展開があってどんどん次が楽しみになる、そんな小説だった。
シリーズはそれぞれに名前がついており、妃の話、家臣の話、そして3巻目でようやくシリーズ通しての主人公日嗣の御子の話。1巻づつが大きな前振りだったんだと最後で気づかされる。ああ、この決戦を書きたかったのか、と納得する結末。(30代女性)

魔女と金魚

作者:中島桃果子

魔女と金魚

《あらすじ》
無色透明のビー玉の囁きを通して、街中の音を捨い、占いをして暮らしている魔女・繭子。浮気調査、失せもの探し、そして自分のままならない恋…。

ファンタジーとリアルが入り交じった、人間味溢れる魔法使いの物語

この本を購入したきっかけは帯でした。
「自分を持て余しながら不器用に生きている全ての女子へ」と書かれており、生きる理由なんて、やるべきことなんてなんにもないよ、でもなんとなくこのままじゃだめだなって思いながら生きていた私は思わず手に取りました。
この本の主人公、繭子もそういう子なんです。

元彼が忘れられない、元彼にいい感じの女がいる、仕事も中途半端で毎日がつまらない。そんなよくある悩み事を、この本は全然ありきたりじゃなく書くのがこの本最大のポイント
魔法使いの主人公、童話に出てくるような町、ファンタジー要素がいっぱいで、リアルな心情が書かれていても読んでて全然胸焼けしないんです。

またすごくおしゃれな表現をするんです。
若い女の笑い声をレモンを絞ったような爽やかな声とか、想像するだけでそのページいっぱいが柑橘の香りになりました。読み手にまで魔法をかけてしまいます。
不器用に生きている全ての女性に是非手に取ってほしい一作です。(20代女性)

夢みる宝石

作者:シオドア・スタージョン

夢みる宝石

[<あらすじ>
里親のひどい折艦をのがれた捨て子のホーティ少年は、愛する人形とともにサーカス団の一座に保護される。団長は、へんてこな人間を集めるかたわら、不思議な能力をもつ水晶を探していた。一見なんの変哲もないその水晶は実は生きていて、痛みや憎しみなどさまざまな感情を表出できる。そして水晶が夢みるとき、土の塊から花や昆虫や、小鳥や犬が生まれるのだった…。

宝石が生命として息づく幻想世界

このファンタジー小説は、SF作家シオドア・スタージョンが発表した珠玉の作品です。
この作品の特にファンタジックな部分といえば、宝石が意志と生命をもった生物であるということでしょう。

宝石たちは、人間(性格にいえば、人間そっくりの生き物)をつくることができ、主人公である少年ホーティは自分がふつうの人間とは違っていることに気づきます。宝石がつくった人間は、「ふつうの人間とかわらない者」と「ふつうの人間とは違う者」とがいます。そして、宝石によってつくられた人間でなくとも「ふつうの人間とは違う者」は多く存在します。
美しく幻想的な世界観に酔いつつ、「ふつう」の範疇からは、はずれた仲間たちと行動をともにするホーティを応援したい気持ちになります。
はたしてホーティは何者なのが、最後までドキドキする面白い小説です。(40代女性)

幻想郵便局

作者:堀川アサコ

幻想郵便局

<あらすじ>
就職浪人中の安倍アズサは、「なりたいものになればいい」と親から言われてきたけれど、なりたいものってなんだかわからない。そんなときに特技欄に“探し物”と書いて提出していた履歴書を見て、アルバイト決定の連絡が。アルバイト先は、山の上、ぽつんとたたずむ不思議な郵便局。そこで出あった不思議な人々と不思議な世界とは……。

ファンタジーと現実感が同居。

あくまでファンタジーの括りに属してはいるものの、その実現実感も同居しているため、どこか不思議に思っても身近にも感じられるため、ファンタジー作品の中では稀有な位置づけるあるとさえ思いました。
とは言え、普通の域を超えている郵便局とあって、読んでいてシンプルに楽しいです。局員や客たちの性格も個性があって大変引き込まれます。(20代女性)

かがみの孤城

作者:辻村深月

かがみの孤城

<あらすじ>
学校での居場所をなくし、閉じこもっていた“こころ”の目の前で、ある日突然部屋の鏡が光り始めた。 輝く鏡をくぐり抜けた先にあったのは、城のような不思議な建物。 そこには“こころ”を含め、似た境遇の7人が集められていた。 なぜこの7人が、なぜこの場所に―― すべてが明らかになるとき、驚きとともに大きな感動に包まれる。 生きづらさを感じているすべての人に贈る物語。

自分もどの時空に生きているのかわからなくなる

「学校に行きたくない、親や友達の人間関係に疲れた」など、思春期に誰もが感じる心の重りや鎖が、読み進めていくうちに解かれて少しずつ軽くなっていくはずです。

そして、前向きな気持ちで最後に本を閉じる事ができます。あれは夢だったのかな、デジャブ、人が日常で感じる身近な不思議や違和感の感覚が常に心に留まりながらも、めいっぱい可愛らしいミステリアスなファンタジー世界へ連れて行ってくれるストーリーです。(40代女性)

「かがみの孤城」の関連テーマ

指輪物語

作者:J・R・R・トールキン

指輪物語

<あらすじ>
ファンタジー文学の最高峰『指輪物語』が日本で初刊行された1972年から奇しくも50年目の2022年、訳文と固有名詞を全面的に見直した日本語訳の完成形として、本最新版をお届けします。
遠い昔、魔王サウロンが、悪しき力の限りを注ぎ込んで作った、指輪をめぐる物語。全世界に、一億人を超えるファンを持つ不滅のファンタジーが、ここに幕を開ける。

たくさんの種族が入り乱れているからこそ楽しめる冒険物語

この小説の魅力といえば、ホビットやエルフ、ドワーフなどの異種族たちがたくさん登場し、スケールがかなり壮大な冒険を描いているところです。
登場するキャラクターがかなり多いにも関わらず、無駄なキャラクターが全然いなくて、みんな物語の上で重要な役割を担っているところも素晴らしいです。戦うシーンの描写も、そのシーンが目に浮かんでくるような臨場感がありました。(20代男性)