努力と感動の物語、おすすめのスポーツ小説16選
もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
作者:岩崎夏海
<あらすじ>
累計270万部の大ベストセラー! 敏腕マネージャーと野球部の仲間が甲子園を目指して奮闘する青春小説。高校野球の女子マネージャーのみなみちゃんは、マネージャーの仕事のためにドラッカーの『マネジメント』を間違って買ってしまいます。はじめは難しくて後悔するのですが、しだいに野球部のマネジメントにも生かせることに気付きます。これまでのドラッカー読者だけでなく、学生から若手ビジネスパーソンなど多くの人に読んでほしい一冊。
熱い野球とマネジメントの融合で勝利を目指す
高校野球の小説というのは多いですが、女子マネージャーが主役。それも野球が好きではないマネージャーが主役という物語は少ないと思います。
その主人公がドラッカーのマネジメントという野球とは程遠いように感じるビジネス書をもとにチームを変革していき、甲子園を目指すという物語はとても面白いです。映画化もされましたが、映画以上に小説ではビジネス書としての側面も持ちながら、物語としても面白いため、おすすめです。(30代男性)
関連テーマ
走れ!タカハシ
作者:村上龍
「かって、高橋慶彦という、スイッチヒッターの遊撃手がいた。広島東洋カープ時代、わたしは彼のファンだった。高橋選手がベンチ前で素振りをするのを見ているだけでうれしくなった。もっともスリリングだったのは盗塁で、とくに走り出す瞬間、胸が高鳴った。ぎりぎりまでリードをとり、投手のモーションを盗み、躊躇なくグラウンドを蹴った。まるでリスクを楽しんでいるかのようだった。そう、高橋慶彦は、グラウンドで誰よりも楽しそうで、すべてのプレーからそのことが伝わってきた。あんな選手はもういない。これからも現れないだろう。もっとも好きなプロ野球選手、いやもっとも好きなプロスポーツ選手だった。この短編集は、高橋慶彦という希有な選手を巡る、市井の人々の悲喜劇を描いている。また高橋選手に捧げる、わたしからのオマージュでもある。」(村上龍)
村上龍の隠れた佳作!
題名にもある「タカハシ」は元広島カープのショート、高橋慶彦選手を指しています。走・攻・守に渡ってスリリングな選手だったのですがこの小説、短編集なのですが主人公は当の高橋慶彦選手ではありません。高橋選手の当時のプレーを通したいくつかの人達の物語です。とても読みやすく、カープファン、野球ファンでなくてもサラッと読める村上龍の佳作です。(50代男性)
龍時(リュウジ)
作者:野沢尚
<あらすじ>
こわれた家族、さえない学校。体内に滾るのはサッカーへの情熱だけ。それさえも、この国では行き詰ってしまうのか。2001年、スペインU─17とのサッカー親善試合に急遽招集された無名の高校生、志野リュウジは、世界の壁を痛感し、単身スペインに渡ることを決意する。両親との葛藤、国籍のハードル、友情や淡い恋など、ビルドゥングスロマンの味わいを発揮しながら、選手の目線から驚くべき緻密さでゲームシーンを再現。本邦初の本格サッカー小説、待望の文庫化。
サッカーを通して一人の男が成長する物語
龍時(リュウジ)はサッカーがテーマの小説です。無名の日本人選手がサッカーで有名なスペインに渡って奮闘する姿が描かれています。
日本とは異なるスペインのカルチャーを感じられるところがすごく好きです。またスペイン語でサッカー用語を学べるという点もお得感があってオススメ。「日本を飛び出して海外で活躍したい!」とモチベーションを上げてくれる素敵な作品です。(40代男性)
未完成な好きが、恋に変わるまでそばにいて
作者:朝比奈希夜
有名バスケプレーヤーの兄を、自分をかばった事故で亡くした梢。それ以来笑顔をなくした梢は、ある日公園で楽しそうにスリーバイスリーをする海里にひとめぼれする。高校の入学式で偶然再会して喜ぶが、彼は過去に仲間とトラブルを起こしてバスケ部に入るつもりはないと梢に告げた。公園でバスケをする姿を見るたび、惹かれていく梢。彼のためになんとかして部活を作ろうとこっそり計画するが、海里に拒まれてしまって…。傷ついたふたりが惹かれあう、感動の青春ストーリー。
ヒロインとヒーローの努力の結晶!
バスケットボールをメインとしたお話です。
タイトルからよくある恋愛ストーリーだと思って読み始めましたが、恋愛だけではなくてヒロインの周りの人間関係やヒーローの周りの人との友情、ヒロインの努力やそれによる変化などいろいろな要素が含まれていて恋愛小説だと言うことを途中でついつい忘れていたぐらいでした!
最後は感動してついつい泣いてしまいました!(20代女性)
ハイ☆スピード!
作者:おおじこうじ
TVアニメ「Free!」の原案となった、第2回京都アニメーション大賞〈奨励賞〉受賞作【ハイ☆スピード!】のライトノベルです。 七瀬遙は、幼なじみの橘真琴、一つ年下の葉月渚と共にスイミングクラブに通う小学6年生。そこに、別のスイミングクラブに通っていた松岡凛が転校してくる。 奔放で好戦的な凛と、勝ち負けにこだわらずに泳ぐことが好きな遙。 対照的な二人だったが、真琴、渚たちと共に同じ目標に向かって泳ぐことになって――。
メドレーリレーを通して築かれる友情と絆
水泳のメドレーリレーを通して、小学生の遙・凛・真琴・渚がだんだんと絆を深めていくのがとても素敵ですし、かなり面白い作品です。一人一人のキャラクターが個性豊かであるとともに、非常に魅力的です。熱い想いを抱きながら挑む水泳や彼らの友情にワクワクさせられるともに、心から応援したくなるストーリーだと思いました。(20代女性)
素晴らしいアメリカ野球
作者:フィリップ・ロス
<あらすじ>
大なるアメリカ小説、そいつを俺は書いてやる! 老スポーツ記者が語る、ジプシー球団マンディーズの放浪記。アル中の一塁手や片脚の捕手、最年長52歳の三塁手など、弱小ナインが次々と珍記録を樹立し、あげく反米スパイ事件の汚名を着せられて……。アメリカの夢と神話を痛快に笑い飛ばしたアメリカ文学史上、最凶の大問題作が、村上柴田翻訳堂シリーズで禁断の復刊!
ホラと悪ふざけにまみれた野球小説
「愛国リーグ」という架空のリーグをでっち上げ、ホームグラウンドを軍隊に提供してしまったがゆえに放浪の身(阪神で言うところの死のロードがシーズンを通して続く感じ)となってしまった弱小球団マンディーズの活躍を描いた小説。
野球をモチーフにしてアメリカの歴史をなぞるといった感じの小説で、純粋なスポーツ小説とは呼べないかもしれない。しかし、とてつもなく面白いのだ。
文学やアメリカの文化に関する知識があればより楽しめるだろうが、キャラの立ったメンバーが荒唐無稽な活躍を見せるので普通に読んでも面白い。ダイナマイトどんどん(邦画)をイメージしてみても良いかも。(40代男性)