山を舞台としたオススメ山岳小説&エッセイ18選

「恐怖の骨格」森村誠一

<あらすじ>
財閥・紀尾井グループ会長の令嬢姉妹が搭乗していた小型飛行機が、北アルプス後立山で消息を絶った。それを聞いた姉妹の婚約者は、公にせず、別々に捜索隊をたて、秘密裏に現場へ向かう。会長が死の床にあり、その財産を独占するための絶好の機会と捉えたのだ。何人も寄せつけない「幻の谷」で、過酷な自然を舞台に様々な人間の野望と思惑が交錯する傑作山岳推理。
人間ドラマ。サスペンスストーリー
紀尾井グループの会長は全身癌に侵されている。
その娘姉妹が乗った飛行機が北アルプスで墜落。姉妹にはそれぞれ婚約者がおり、生存の安否に遺産相続が絡むサスペンスストーリー。
人間関係がやや複雑ではあるが、それはそれで読み応えがあった。
資産問題の話なので、人間の汚い部分が見えるが、一昔前の時代にはよくあるストーリーで中高年世代にオススメ。また、厳しい山の自然描写や登山家の気概も読み応えがあった。
「パーティ」山田悠介

<あらすじ>
4人の少年たちは、小学生の頃から友情を育んできた親友だった。しかし彼らは、ある事件をきっかけに、離ればなれになってしまう。だが今日、謎の手紙に誘われ、頂上に神様がいると言われている“神獄山”で再会する。身体の弱い転入生の少女を4人で守ろうとした、罪ある過去を思い出しながら、過酷な山道を登り始め頂上を目指す。果たして山頂で彼らを待ち受けているものとは? そして“罪ある過去”とは──?
各々が罪と向き合う物語
かつて仲良くしていた友との再会、しかしそれは喜ばしい感動の再会ではなく、全員がある目的の元で集まっただけに過ぎなかったのです。過去と現在を行き来する中で、彼らに隠された、その真実が浮き彫りになります。果たして彼らは無事に頂上まで辿り着き目的が達成されるのか、ラストまで気が抜けない臨場感と緊張感溢れる作品です。
「山小屋ガールの癒されない日々」吉玉サキ

《あらすじ》
仕事、暮らし、恋、人間関係、そして人生への向き合いかた…山小屋で10年働いたライターがつづる山の上での想定外の日常!
山小屋バイトで過ごした日々のエッセイ
仕事がうまくいかず、心の調子を崩してしまった吉玉サキ。
そんなとき、山小屋でのバイトを終えて帰ってきた幼なじみのチヒロに、山小屋で働くことを勧められ北アルプスの山小屋で働くことになる。
サキは登山をしたことがないだけでなく、アウトドアもスポーツもしない、自然にも興味がなかったが、やがて山の社会に馴染み10年山小屋で働くこととなる。
山小屋での日常、体力勝負の怒涛の日々、住み込みで共に働く仲間との友情、ライターへの夢などを綴ったエッセイ。
「天空への回廊」笹本稜平

<あらすじ>
エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘―。大藪賞作家、渾身の超大作。
不屈な男の孤高な戦いの物語
エベレスト山頂近くに人工衛星が落下し、その衛星回収作戦の渦中で行方不明になった親友を救出するためにエベレストに挑む主人公が謀略に巻き込まれていく展開だが、あくまでも親友救出を目指し、人間を歯牙にもかけない大自然の脅威は勿論、国家間の思惑にも単身で立ち向かっていく主人公の不屈の闘志がひしひしと伝わってくる。
「前略、山暮らしを始めました。」浅葱

《あらすじ》
ひょんなことがきっかけで山を買った佐野は、縁日で買った3羽のヒヨコと一緒に悠々自適な田舎暮らしを始める。気づけばヒヨコは恐竜みたいな尻尾を生やした巨大なニワトリ(?)に成長し、言葉まで喋り始めて……。
「どうしてーーー!?」
「ドウシテー」「ドウシテー」「ドウシテー」
「お前らが言うなー!」
癒やし満点なニワトリたちとの摩訶不思議な山暮らし!
ニワトリと過ごすのんびり山生活
荒波や刺激があるような展開はありませんが、心が癒されるような日常を楽しめます。山暮らしがどのような生活か知る事が出来るので、将来田舎に住みたい方は参考になるでしょう。
アウトドア系の中でも体力を使ったり冒険の要素はありませんが、ゆっくりした暮らしにこちらまでリラックス出来ます。季節のイベントも充実していて良かったです。(20代女性)
「雪の炎」新田次郎

山の描写が鮮明で、そこにいるような空気感が伝わってくる
まるで自分が山に迷い混んでしまったかと錯覚するくらい、山の描写がリアルで畏怖の念を覚えました。さらにこの作品の面白いところは、山の怖さだけではないミステリー要素も加わっていくところです。なので、読みながらその謎を考察していくという楽しみ方もできます。最後の展開も、ミステリー好きな自分ですら予想できず、良い意味で裏切られました。(30代男性)
「脱獄山脈」太田蘭三

復讐への熱い思い、逃避行中の山でうまれる男女の友情物語
脱獄山脈はタイトルどおり、刑務所を脱獄した4人と途中で出会った訳ありな女性がいっしょに奥多摩、奥秩父、北アルプスと山を越えていくお話です。脱走者のひとりである主人公は妹を殺された復讐のために、山で身を潜めながら目的地へと向かいます。
4人とも刑務所に入るくらいなので悪い人たちかと思いきや、そうでもなく、登山中の会話は平和的で、暗い話が苦手な私でも面白く読めました。もちろん途中苦難もありますし、推理小説部分もありますが、難しすぎず、登山がおもしろそうだなとも思えました。結末もスッキリしました。
「凍雨」大倉崇裕

凍雨―。降られると、雪より辛い、冷たい雨。地元のタクシー運転手の声が、深江の脳裡にこだまする。標高一九二二メートル。福島県北部に位置する単独峰、嶺雲岳。この山を久しぶりに訪れた深江信二郎は、亡き親友植村の妻真弓と、遺児佳子の姿を垣間見る。一方、無頼の男たちを束ねる遠藤達也も入山。彼らを追う中国人組織も現れ、激烈な銃撃戦が開始された。深江と母娘は、その争いに巻き込まれてしまう。山が血で染まっていく…。奴らの正体は?深江と母娘の過去の因縁とは?気鋭が冒険小説に新境地を拓いた、傑作長篇。
タフで気高い山男の意地
親友の命日に登山を決意した主人公が偶然、山を舞台にした犯罪組織の抗争を目の当たりにしてしまうが。図らずも親友の残された妻子がその抗争に巻き込まれてしまう。
亡き親友のためにも妻子を守るべく男は抗争に飛び込んでいく・・
損得抜きで行動する主人公の熱さ・ひたむきさが作品の芯となっていて、一気に読ませてくれる