【邦画編】1990年代のおすすめ映画14選
1990年代は、その前半(91年~93年頃)にバブルが崩壊した年代であり、映画の制作費に大きな金額がかけられなくなってきた年代でもあります。「敦煌」(88年、45億)、「天と地と」(90年、50億)この辺りを境に巨額制作費の邦画は少なくなっていきました。ちなみに最高制作費の映画は「ファイナルファンタジー」(2001年)で、制作費は約150億で興行収入は約40億円の、大失敗に終わったとか…。
90年代でも「踊る大捜査線 THE MOVIE」(1998年)や「もののけ姫」(1997年)の大ヒット、「リング」(1998年)はJホラーブームの火付け役となりました。
そんな懐かしい1990年代のおすすめ邦画を14作品ご紹介します。
Shall we ダンス?(1996年)
真面目でごく普通のサラリーマン杉山正平は、ある晩、ダンス教室の窓べにものうげにたたずむ美しい女性を通勤電車から見た。家庭にも会社にも何の不満もなかったが、どこか空しさを感じていた彼が、数日後、ためらいながらもダンス教室の扉を開くと、そこには「社交ダンス」の摩訶不思議な世界が広がっていた…。観客動員200万人、その年の映画賞を総ナメにし、超一流のエンタテインメントとして邦画界を席捲したハートフルコメディの傑作。
何か新しいことを始めたくなる作品
この作品を見るまでは映画というとドキドキハラハラしたり、激しい展開が待っているものばかりだと思っていましたが、こんなにしっとりと、そしてくすっと笑えて面白い作品があることに驚きました。
役所公司さんの演技が素晴らしく、普通のサラリーマンをこんなにもうまく演じられることの凄さを見るたびに感じました。竹中直人さんなど脇を固める個性豊かなキャストの演技も最高でした。(30代女性)
ダンスに恋する中年男性の物語
邦画人気が低迷していた90年代ですが、この「Shall we ダンス?」は大ヒットして、のちにハリウッドリメイク版や宝塚歌劇でミュージカル化されるなど、さまざまな形で発展しただけあり、大変楽しめた作品です。
主人公の中年男性が、ダンスを「習い事」として始める導入部分も素晴らしく、「フィクションならではの特殊な設定と登場人物が奇想天外な物語」をくりひろげるタイプのハデさはないところが逆に新鮮で、幅広い層の人々にすすめたくなりました。(40代女性)
踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!(1998年)
青島俊作(織田裕二)、恩田すみれ(深津絵里)は"通称・空き地署"と呼ばれる湾岸署に勤務する刑事。そんなある日の午後、湾岸署管轄の川で、腹部に刺しゅう用の糸で縫合した手術跡のある水死体が発見された。当初、自殺かと思われたが、解剖の結果、胃袋の中からテディ・ベアのぬいぐるみが現れ、事件は猟奇殺人事件へと発展していく…。
織田裕二が好きになる代表作
TVシリーズから好きでよく見ていました。キャストも豪華で見ごたえのある作品だと思います。
有名なセリフで「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだ!」は印象に残っている人は多いのではないのでしょうか?
刑事ものの作品はあまり見ないのですが、この作品は誰でも見やすい作品だと思います。主演の織田裕二さんのカッコよさが際立っていると思います。興味のある方は是非!!(40代男性)
高低差のある演出の上手さ
ドラマと繋がっているので、ドラマが好きで全て観ていた自分としてはとても楽しめましたし、スケールも大きく目を離す暇もないほどの展開や緊張感がありました。また、各登場人物のセリフにも癖があり非常に印象に強く残りますし、緩いシーンから急展開になったりなどとても演出の上手さを感じられたので大変おすすめです。(30代男性)
鉄道員(ぽっぽや)(1999年)
《あらすじ》
北の果ての終着駅で、不器用なまでにまっすぐに鉄道員としての人生を貫いてきた佐藤乙松。一人娘を亡くした日も、最愛の妻を亡くした日も駅に立ち続けた彼のもとに、やさしい奇跡が起きる。
哀愁と人の温かさが詰まった物語
不器用な鉄道員の物語。哀愁漂う高倉健さんが本当にかっこいいです。年齢性別問わず、あの姿に見惚れてしまう人は多いと思います。今は亡き高倉健さんの渋すぎる演技をとことん味わえる。それだけでも一見の価値のある作品です。また、後半の意外な展開が個人的にはとても良かったです。すごく温かい気持ちになれて素直に見て良かった。そう思えました。(30代女性)
仕事に生きた男も、最後には幸せな人生に
高倉健と広末涼子の心の温まる物語でした。
妻を失い、娘を失ったけれども、鉄道員として一生をその仕事に捧げたという誇りと共に、そのご褒美として、幽霊となった娘が会いに来てくれます。その娘は父親のために鍋を作ってあげたりします。娘と生きたらこんな幸せがあったんだということを教えてくれます。だから、彼にとってはこの瞬間が一番の幸福であったのでしょう。娘に再会し、そしてその娘と妻がいる天国に、きっと喜び勇んで登っていたと思われます。仕事に生きる男って寂しいけれで、ちゃんと神様は最後には幸せにしてくれるのです。素晴らしい作品でした。(60代男性)
病院へ行こう(1990年)
とある大学病院を舞台に、医師と患者、そしてそれに携わる人々の人間ドラマを描いたコメディー。監督は「おくりびと」の滝田洋二郎。妻の不倫相手と大喧嘩の末、階段から転落した新谷。運び込まれた病院には危なっかしい研修医、さらに入院する部屋には妻の不倫相手がいて・・・。
病をきっかけに得られた人の優しさと愛情
病院を舞台に患者と医師によるコメディ恋愛ものです。
主演に真田広之さん、ヒロインに薬師丸ひろ子さんと美男美女コンビで典型的な仕事人間と研修医が病気と葛藤します。
始まりがまさに仕事人間あるあるな状態で、コメディとはいえ当時の日本には多いのではと感じました。
主人公が入院することから様々な出来事が起こるのですが、展開の面白さにツッコミを入れつつ時には感動もありと完成度が高い作品となっています。
女医との恋愛に妄想していた方もいるのではと感じさせる場面に見入ってしまいあっという間にエンディングを迎えることでしょう。(40代男性)
リング(1998年)
<ビデオに殺されるなんて。>ちまたに勃発する原因不明の突然死。呪いが込められたビデオテープの存在の噂は、都市の人々の間に急速に広まっていった。浅川玲子(松嶋菜々子)は、ある事件を追いかけるうちにそのビデオテープを観てしまう。そのビデオには観たものを7日間の期間で確実に死に追い込むという、恐怖の呪縛が潜んでいた。玲子は別れた夫の高山竜司(真田広之)に相談するが、彼もまたそのビデオを観てしまう。息詰まるような限られた時間の中で、彼らは生き残りをかけてその謎に挑む。
日本ホラー映画の代表作
1990代の邦画と言えばリングが思い出されます。貞子のルーツがわかる作品でその後のリングシリーズの始まりとなる作品です。
主演真田広之、松嶋菜々子が貞子の呪いを解くために限られた時間の中で奮闘しますが結果は、、、見てのお楽しみです。衝撃のラストシーンは今でも忘れられません。貞子は当時ブームとなりパロディなどにも取り上げられた程です。若い世代には見ていない人もいると思いますがので邦画ホラー映画の代表作として是非見て欲しい作品です。(50代男性)
わが愛の譜 滝廉太郎物語(1993年)
「花」「荒城の月」などの作曲者として広く人々に知られる滝廉太郎。本作品は、23才という若さでこの世を去った偉大なる音楽家・廉太郎が、東京音楽学校(現・東京芸大)へ入学し、ピアニストへの夢、そして挫折、念願のドイツ留学から無念の帰国を経て、その短すぎる生涯を閉じるまでの、劇的な数年を描破。さらに、世界を目指す傍ら、ライバル心から芽生えた女性ピアニスト・ユキとのかなわぬ恋や、廉太郎とともに明治を激しく生きた若者たちの姿をも描き出す感動の巨編である。
90年ぶりに掘り出された宝石のような、ある青年の物語
人間の心情を丁寧に描いた人間ドラマを見たいという方はいませんか?そんなあなたにご紹介したいのが、1993年公開の映画「わが愛の譜 滝廉太郎物語」です。
私はこの作品が大好きで、DVD も所有しています。この映画のどこが魅力的かといえば、配役がイメージにピッタリで、自然に感情移入してしまうところです。やや棒読みのセリフが夢や葛藤で一杯の若者らしくてまた良い!
この映画は若くして亡くなった作曲家滝廉太郎の生涯を、交流を持った人々の視点を交えて描いた伝記映画です。廉太郎を風間トオルさん、彼を深く愛した女性ユキを鷲尾いさ子さんが演じています。
廉太郎は音楽に対しては恐ろしいほどの情熱を持っています。しかし、他のこととなると鈍感な美少年として登場します。恵まれた環境で音楽の英才教育を受けたユキは、当初廉太郎をライバルとして意識します。しかし、留学先のドイツで音楽を通して心を通わせるのでした。やはり見所は、再会をきっかけに、音楽家として深みを増した二人に訪れた残酷な結末。最後まで誠実な廉太郎の姿に涙が止まらなくなることでしょう。
大人も鑑賞できる青春映画として90年代公開の邦画の中でイチオシの作品です。(30代男性)
劇場版ポケットモンスター ミュウツーの逆襲(1998年)
ポケモンマスターを目指し、修業の旅をつづけるサトシたちのもとに、一通の招待状が届いた。しかしそれは、ミュウツーの罠であり、計画であった。そうとも知らず、サトシたちは大荒れの海を渡ってある島を目指す。そこで待ち受けていたのは、オリジナルから、さらに強いポケモンをつくり、人間たちへの逆襲を計画する最強のポケモン『ミュウツー』だった。計り知れないミュウツーのパワーに圧倒され、サトシたちがピンチを向かえた時、あの幻のポケモン『ミュウ』が現われた。かくしてミュウとミュウツーはポケモン史上最高、最強のバトルへ突入していくのだった。一体勝つのはどっちだ?!
全世代に刺さりまくる大傑作アニメ
公開から30年弱が経過し、これだけ倫理観がアップデートされた現代になっても、まだ心にしみいるものがある傑作アニメ映画だと思います。
技術の進歩とは、命の価値とは、信じあう意味とは?と、およそ子供向けとは思えないような重いテーマを子どもにも十分理解できるエンターテインメント作品として描き切っているのがすごいです。(30代女性)
機動戦士ガンダム F91 (1991年)
宇宙世紀0123、クロスボーン・バンガードの部隊がフロンティアサイドを襲撃。フロンティアIVで暮らしていたシーブック・アノーは、避難した先の連邦軍戦艦スペース・アークで、ガンダムF91のパイロットになることを強いられる。戦争を知らない世代を主役に据え、新たなガンダムの歴史を切り拓こうとした意欲作。
貴族による宇宙戦争の幕開け
それまでのガンダムシリーズとは人物的な接点がなく新たな区切りとして始まった作品なのですが、貴族体制を宇宙に持ち込む、人類を1/10に減らすなどといった思想で動く敵というところが面白く、最大の敵である鉄仮面というキャラクターがそれほど若くもなく、どちらかというと政治家寄りというシリーズでも独特の立ち位置になっているところも見どころです。メカアクションはビームの描写が特に見事です。(40代男性)
夢 (1990年)
黒澤明とスピルバーグ。映画界の2人の天才が紡ぐ“夢”の世界は、斬新な映像のきらめきに満ちていた—。オムニバス全8話。
幻想的で少し不気味な、クロサワのオムニバス映画
黒澤監督自身が見た夢をもとに作ったオムニバス映画で、少し不気味というか、怖いけれど色遣いや映像が綺麗で見てしまう映画でした。子どもの頃初めて狐の嫁入りの話を見て、なんだかしばらく忘れられなくて、もう一度見たくなって父にお願いしてビデオショップで借りてきてもらった記憶があります。それくらい、子どもが見ても衝撃的な、脳裏に残るような独特な雰囲気の作品でした。(30代女性)
「夢」の関連テーマ
大阪物語(1999年)
私の名前は霜月若菜(池脇千鶴)。大阪で生まれて大阪で育った。14歳。
おとうちゃん(沢田研二)とお母ちゃん(田中裕子)は、売れない夫婦漫才 “はる美&りゅう介"。弟が一人。
平凡で幸せな毎日と思っていた秋のある日、お父ちゃんの愛人に子供ができて 離婚することになった。
別れた夫婦漫才は人気が出るらしいが、“はる美&りゅう介"は例外だった。
そして夏、お父ちゃんは家を出た。
お父ちゃんを探すために私も家を出た。
昭和の大阪のごった煮の様な町と人情
沢田研二さんと田中裕子さんが夫婦役で、池脇千鶴さんが娘役という事で観てみましたが、みんな若々しくて大阪の下町の人情味タップリの日常が描かれていて、ノスタルジックをも感じさせられました。
この一家の波乱に満ちた人生模様が面白く、大阪弁たっぷりで進行していくのがとてもリアル感があり良かったです。めちゃくちゃな父を持った若菜が一番しっかりしているのが印象的でした。(50代男性)
BEST GUY(1990年)
北海道・航空自衛隊千歳基地。201飛行隊ロッカールームに掲げられたプレート、その「BESTGUY」というタイトルの下は写真がなく空白だった。ある日、一人の男がロッカールームで山本飛行隊長らを迎えた。不適な微笑と減らず口をたたくこの男こそ梶谷英男であった。梶谷は着任の挨拶を交わすなかで、吉永に対して憎しみととれる感情を向けた。二人の雰囲気に他の連中は怪訝な表情をみせる。東京からやってきたビデオディレクターの深雪は、梶谷に思いを寄せながらF15Jイーグルの撮影を順調に進めていく。やがて訓練幹部が3年間空席となっていたベストガイを再び千歳に誕生させると宣言する。盛り上がる隊員たちをよそに無関心な態度を見せるみせる梶谷だが、戦技訓練では抜群の腕前を発揮する。ベストガイへ最短距離にいるとされる沈着冷静な名高と梶谷は、反目しあいながらも互いをライバルと認め始めた。
30年前の航空自衛隊広報に貢献した貴重な作品
「Top Gun Maverick」で盛り上がっている今だからこそチェックしていただきたい邦画です。
1990年、バブル真っ盛りのイケイケな時期に撮影されているので、そういう雰囲気も味わえるかもしれません。
航空自衛隊の千歳基地(北海道)に赴任してきた問題児のF-15パイロット梶谷(織田裕二)と、撮影で基地を訪れていたビデオディレクターの深雪(財前直見)の二人を中心に、自衛隊の人々を描いている物語です。
まだ若く、「踊る大捜査線」の青島君のキャラクターが染みつく前の織田裕二さんが見られる貴重な作品かもしれません。惜しむらくはCGがちょっと古いことでしょうか。しかし、青い空で空撮された映像は当時としてはとても珍しく、貴重なシーンでした。(50代女性)
WiLD ZERO(1999年)
さすらいの旅を続ける超人気バンド、ギターウルフ。彼らに憧れる追っかけ少年のエースはバイクを走らせていた。エースは可憐な外国人の少女(?)トビオと出会い再会を誓い合う。しかし、たどり着いた旭町はゾンビたちが人間の肉を求めて彷徨うゴーストタウンとなっていたのだ。トビオが危ない!躊躇するエースの前にギターウルフが力を与える。「愛に国境も、男も女も関係ねぇ」と。しかし、待っていたのは絶対絶命のピンチだった‼ライブハウスの悪徳オーナー・キャプテンに命を狙われているギターウルフも、エースのピンチを救うために火を吹くバイクを走らせる。ギターウルフとキャプテンとの死闘は?少年エースと美少女(?)トビオの恋の行方は?ゾンビたちの正体は?そして頭上には無数のUFOが襲来!!!
振りきれたB級テイストが過剰すぎるロックンロールムービー
世界的に有名な日本のロックバンド・ギターウルフのオリジナルメンバー3人が本人役で登場する超B級ロックンロールムービーです。
ストーリー自体はゾンビ映画の系譜にならった不条理なテイストですが、ギターウルフのライブシーンやゾンビとのバトルなど迫力と疾走感が味わえる内容になっています。ラストシーンは絶対に誰も予想ができない仕掛けがあるので是非、本編で確認していただきたいと思います。(40代男性)
いつかギラギラする日(1992年)
巨匠・深作欣二監督による迫力の銃撃戦、爆破シーンが効果的な現代アクション・バイオレンス。ホテルの売上金2億円を狙い現金輸送車を襲った4人の男。しかし奪った現金は5千万だった。ンバーの一人が現金を独り占めしようとしたことから、彼らの血みどろの死闘が始まった。
熱い男たちのピカレスクロマン
深作欣二監督によるバイオレンス・アクションムービーです。
当時劇場で見たのですが、日本でもこんなに本格的なアクション映画が作れるのだと非常に関心したのを覚えています。特に印象に強く残っているのがカーアクションシーンです。派手で迫力があり、息をもつかせぬ勢いです。そして単純にカッコ良いです。それに加えて個性的な俳優陣の魅力がプラスされていて、今でも邦画ナンバー1のピカレスクロマン・アクション映画だと思っています。(50代女性)
就職戦線異状なし(1991年)
就職するにあたっての心構えが学べる一作
当時は平成初期です。その時期の若者達が学生から社会人に上がるに対して色んな苦悩を吐き出す内容になっています。出演した織田裕二さん、的場浩司さんが、社会人になるにあたての気付きを語るシーンは名場面として記憶に残ります。やりたいことより出来る事を探すのが大人であるという厳しい現実をも捉えたドラマにぐっとくるものがありました。(30代男性)