フランス映画の珠玉の作品に出会う、おすすめ作品15選
ふたつの部屋、ふたりの暮らし
南仏モンペリエを見渡すアパルトマン最上階、向かい合う互いの部屋を行き来して暮らす隣人同士のニナとマドレーヌは、実は長年密かに愛し合ってきた恋人同士。マドレーヌは不幸な結婚の末に夫が先立ち、子供たちもいまは独立、家族との思い出の品や美しいインテリアに囲まれながら心地よく静かな引退生活を送っている。2人の望みはアパルトマンを売ったお金で共にローマに移住すること。だが子供たちに真実を伝えられないまま、時間だけが過ぎていく。そして突如マドレーヌに訪れた悲劇により、2人はやがて家族や周囲を巻き込んで、究極の選択を迫られることになる…。
年老いたレズビアンの純愛物語
フランスのレズビアンを描いた映画ですが、若々しい女性の恋物語でなくお互いに年を重ね、家族との軋轢や病にどう対峙していくかが生々しくオリジナリティがありました。
二人の女優の人生がにじむ美しさ、切なく悲しい結末ですがどこか一筋の希望が残る終わり方で印象深いです。途中から言葉を話せなくなる マルティーヌ・シュヴァリエの瞳の演技が素晴らしく胸を打ちます。どうにか幸せになってほしいと祈らずにはいられません。(40代女性)
地下に潜む怪人
<あらすじ>
パリの通りの下に何キロにもわたり広がっている迷路のような地下墓地には、無数の魂が眠っている。地図にない骨の迷路に足を踏み入れた探検隊は、死者の町に隠された秘密を発見する。
主人公の視点を体験できる臨場感たっぷりなホラー作品
この作品は、主人公が未知の世界へと進んでいく過程で遭遇するハプニングや謎の生物との戦いなど、スリリングな展開がたくさん楽しめるところが見どころです。POV視点なので、主人公の視点を体験できるような雰囲気になっておりそれがさらに緊張感と臨場感を増してくれています。ただのホラーではなく、ミステリー要素も絡んでいるので考察しながら見るのも楽しい作品です。(20代男性)
ラ・ブーム
<あらすじ>
10月のパリ。新学期を迎えた13歳のヴィックは、恋への憧れでいっぱいだった。経験豊富な曾祖母は、そんな彼女に恋愛戦術を伝授。ヴィックは、初めてのブーム(パーティ)で出会った男の子マチューに恋心を抱く。しかし、ホテルマン志望のマチューは実習のためグランド・ホテルへ行く事となり、ヴィックは彼を追いかけて行く。一方、パパのフランソワが一夜の浮気をママのフランソワーズに告白したため、両親は別居することに。
フランスの青春の中の恋
ブーム/boumとは、フランスで若者が開く音楽と踊りのパーティーのことで、ブームに誘われることを夢見ている主人公。
その主人公のソフィー・マルソーの愛らしさに釘付けになります。
主人公のヴィックが自身の14歳の誕生日ブームを開くまでのストーリー。その間の両親の別居騒動、ブームで出会ったマチューとの恋が青くくすぐったくて学生時代の恋心が思い返されます。
フランス的恋愛価値観に驚かされますが、フランスを知りたい、ソフィー・マルソーが好きな方には、のんびりと楽しめる映画です。ラ・ブームが気に入れば、ラ・ブーム2もあります。(40代女性)
男と女
<あらすじ>
パリで一人暮らしをするアンヌとカーレーサーのジャンは、ドービルにある同じ寄宿舎に娘と息子を預けていることから知りあい惹かれあった。が、いまだ辛い過去を忘れられない二人は……。
流麗なカメラワーク、カラーとモノクロームを使い分けた大胆なモンタージュ、そして甘美なメロディが“運命の出会い"に魅入られた男と女の恋を浮き彫りにしていく。
距離とすれ違いを乗り越えて結ばれる男女の愛の物語
セリフは少ないですが、数少ないセリフの一つ一つがより美しく際立っているような映画です。また、モノクロとカラーの使い分け、音楽の効果などが芸術的です。すれ違いながらやっと最後に再会できるシーンはとてもロマンチックで感動的です。
ネット、テレビ電話、交通網の発達などにより、愛する人同士がお互いの顔を見たり、あって互いを抱きしめたりすることが簡単になってしまった現代だからこそ、困難やすれ違いを乗り越えて愛する人と会うというこの映画の美しさが味わえます。(10代女性)
甘い罠
<あらすじ>
スイスのローザンヌの市庁舎で天才ピアニストのアンドレ・ポロンスキーとミカことマリ=クレール・ミュレールは2度目の結婚式を挙げる。アンドレと亡くなった前妻リズベットのあいだには18歳になる無職の息子ギヨームがいる。別の日、レマン湖畔のレストランでルイーズ・ポレとポリーヌが話している。ポリーヌの息子アクセルは、ルイーズの娘ジャンヌと交際している。ジャンヌは自分が生まれた病院で、結婚式を挙げた有名なピアニスト、ポロンスキーの子供と自分が取り違えられそうになった話を初めて聞き、彼の家を訪ねることにする……。
何が一番怖いかと言ったら、結局のところ人間です
ミステリーやサスペンスによくある派手な展開や、グロテスクな演出もありません。だからこそ、人の嫉妬心や弱さや汚らわしい部分が浮き彫りになり、むしろそれがとても怖いんです。劇中で演奏される『葬送曲』のメロディも、冷徹さを滲みだしているイザベル・ユペールの演技も、ミステリーとしての面白さを助長していました。
犯行手口だって難しい訳ではないのに、ハラハラが止まらず、最後の最後まで恐怖心を与えられました。結局、一番おっかないのは人間の心の醜さだと痛感したものです…。(40代女性)