「部活動」がテーマのオススメ小説9選

2022年4月21日

おすすめ!部活動の小説

「部活動」を中心に描かれた青春小説。野球部、陸上部、テニス部などのメジャーな部活から階段部という不思議な部活まで、青春のひとときを部活にかける珠玉の物語たち。

「風が強く吹いている」三浦しをん

風が強く吹いている

<あらすじ>
箱根駅伝を走りたい―そんな灰二の想いが、天才ランナー走と出会って動き出す。「駅伝」って何?走るってどういうことなんだ?十人の個性あふれるメンバーが、長距離を走ること(=生きること)に夢中で突き進む。自分の限界に挑戦し、ゴールを目指して襷を繋ぐことで、仲間と繋がっていく…風を感じて、走れ!「速く」ではなく「強く」―純度100パーセントの疾走青春小説。

青春を駆け抜ける駅伝小説

箱根駅伝を走りたい主人公が天才ランナー一人と全くの初心者で構成された駅伝部で箱根駅伝出場を目指す物語です。
最初は全く駅伝に興味のない初心者たちをあらゆる方法で乗り気にさせていく主人公と、それに絆されてゆく部員たちの掛け合いがおもしろい。同じ宿舎に暮らす彼らは、じわじわと駅伝中心の生活に染められてゆく。また、情景描写の美しさと走っている人間の苦しさの表現もこの小説の魅力だ。前を走っているランナーが遠のいていく焦り、後ろから近づいてくる足音が聞こえる緊張感、走ることの苦しさと気持ちよさ。読むと走り出したくなるような、そんな小説だ。(20代女性)

ド直球スポ根青春物語

毎年1月、東京-箱根間を大学生ランナー達が襷を繋いで駆け抜ける大会。誰もが知る、あの箱根駅伝が舞台になった青春小説です。
無名大学陸上部の10人が箱根駅伝を目指して一から努力する姿は、現実には無謀すぎることかもしれませんが、そのひたむきさと真っ直ぐさに心打たれます。個性豊かな登場人物も全員魅力的で、笑える部分も、泣ける部分もあって何度読んでも楽しめる作品です。長編小説ですが、まさに疾走するかのごとく、あっという間に読み終わってしまいます。(20代女性)

「風が強く吹いている」の関連テーマ

「チア男子!!」朝井リョウ

チア男子!!

<あらすじ>
大学1年生の晴希は、道場の長男として幼い頃から柔道を続けてきた。だが、負けなしの姉と比べて自分の限界を悟っていた晴希は、怪我をきっかけに柔道部を退部する。同時期に部をやめた幼なじみの一馬に誘われ、大学チア初の男子チームを結成することになるが、集まってきたのは個性的すぎるメンバーで…。チアリーディングに青春をかける男子たちの、笑いと汗と涙の感動ストーリー。

チアリーディングにかける男たちの青春物語

「男子のチアリーディング」というモノ珍しい部活というのが話の中心であるものの、他の部員に対する思いや、競技にかける情熱がすごく伝わってくる青春の王道ストーリーです。
特に青春を感じる部分は、部員が一人ずつ書いている日記の内容です。自分より上手な部員に対する嫉妬や、もっと真面目に取り組んでほしいという怒りや、自分がみんなの足を引っ張っているんじゃないかという焦りなど、部活動を経験した人が必ず通ってきた感情がぶつけられていて、社会人になってから鈍感になった部分を思い出させてくれます。(30代女性)

「武士道シックスティーン」誉田哲也

武士道シックスティーン

<あらすじ>
武蔵を心の師とする剣道エリートの香織は、中学最後の大会で、無名選手の早苗に負けてしまう。敗北の悔しさを片時も忘れられない香織と、勝利にこだわらず「お気楽不動心」の早苗。相反する二人が、同じ高校に進学し、剣道部で再会を果たすが…。青春を剣道にかける女子二人の傑作エンターテインメント。

剣道女子2人の青春ドラマ

幼い頃から剣道に打ち込んできた香織と、中学から剣道を始めて勝つことにこだわらない早苗。性格も剣道への取り組み方も違う2人が高校の部活で再会し、時には反目しながらも成長していくストーリー。
その後に続く「武士道セブンティーン」「武士道エイティーン」、社会人になってからの「武士道ジェネレーション」と続くシリーズの記念すべき第一作です。ストロベリーナイトシリーズで知られる誉田哲也氏の作品ながら、誰も殺されない、王道のスポーツドラマというのも新鮮。映画化もされているので、まずはそちらを見てみるのもおすすめです。(40代女性)

「武士道シックスティーン」の関連テーマ

「ランナー」あさのあつこ

ランナー

<あらすじ>
長距離走者として将来を嘱望された高校一年生の加納碧李は、複雑な境遇の妹を案じ、陸上部を退部することを決意した。だがそれは、たった一度レースに負けただけで走ることが恐怖となってしまった自分への言い訳だった。走ることから、逃げた。逃げたままでは前に進めない。碧李は、再びスタートラインを目指そうとする―。

ストイックなランナーの物語

スポーツ少年のさわやかな話かと思って読み始めたら、想像とは違ってなかなか重い話でした。ですが、それこそがこの作品の魅力でもあり、登場人物の心情が自分のことのように感じるくらいリアルに描かれています。高校生にして家庭内の問題を背負わされつつ、部活との向き合い方を真剣に考える碧李の姿に感動します。この作品を読む時はまとまった時間をとって一気読みすることをおすすめします。(20代女性)

「一瞬の風になれ」佐藤多佳子

一瞬の風になれ

<あらすじ>
春野台高校陸上部、一年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感…。ただ、走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説、第一部、スタート。

風のように爽やかに吹き抜ける青春ストーリー

サッカーをずっと頑張ってきた男の子が、高校入学を機に陸上部に転向します。走る才能を持った親友や、走ることに情熱を持った同級生などと一緒に、走ることの楽しさにどんどんのめりこんでいきます。高校生らしい純粋な部活内恋愛があったり、後に部を引っ張るリーダーとして葛藤する場面など、高校生の時に打ち込める何かがあって羨ましいなと思わせてくれるとても素敵な青春物語です。(30代女性)

「一瞬の風になれ」の関連テーマ

「キケン」有川浩

キケン

<あらすじ>
有川浩が贈る「キケン」な理系男子ストーリー 事件だらけ爆発的熱量の青春
成南電気工科大学の「機械制御研究部」は、犯罪スレスレの実験や破壊的行為から、略称「機研(キケン)」=危険とおそれられていた。本書はその黄金期を描く青春物語である!

理系男子の熱い青春物語

大学入学早々、あるサークルに引きずり込まれた主人公。そのサークルとは、「機械制御研究部・通称キケン」。犯罪スレスレの実験を繰り返す部長をはじめ、個性豊かな部員たちと過ごす日々はとてもエキサイティングです。大学生の若さ、エネルギー、パワーに溢れていて、青春っていいなあ!大学生に戻りたい!と思わされます。(30代女性)

「ひかりの剣」海堂尊

ひかりの剣

<あらすじ>
覇者は外科の世界で大成するといわれる医学部剣道部の「医鷲旗大会」。そこで、桜宮・東城大の“猛虎”速水晃一と、東京・帝華大の“伏龍”清川吾郎による伝説の闘いがあった。東城大の顧問・高階ら『チーム・バチスタ』でおなじみの面々がメスの代わりに竹刀で鎬を削る、医療ミステリーの旗手が放つ青春小説。

才能だけでも努力だけでも勝利はつかめない。

チームバチスタシリーズ「ジェネラル・ルージュ」速水晃一の大学時代の話。
剣道部に打ち込む責任感が強く真面目な速水とさぼり上手で素質があるものの速水をライバル視する清川(「ジーン・ワルツ」に登場)のそれぞれの悩みと負けず嫌いさが楽しめる。達人の祖父を持つ女性剣士、朝比奈ひかりは部員として試合に出てくれるのか。この時の鍛錬と集中があったからこそ、後の二人の活躍があるんだ、と感じられる作品。高階先生も登場するので、バチスタシリーズを観たことがある人はぜひ読んでほしい。(40代女性)

「青が散る」宮本 輝

青が散る

<あらすじ>
燎平は、新設大学の一期生として、テニス部の創立に参加する。炎天下でのコートづくり、部員同士の友情と敵意、勝利への貪婪な欲望と「王道」、そして夏子との運命的な出会い―。青春の光あふれる鮮やかさ、荒々しいほどの野心、そして戸惑いと切なさを、白球を追う若者たちの群像に描いた宮本輝の代表作。

何かに熱中することの素晴らしさが伝わる物語

主人公である椎名遼平がテニス部としての活動に少しずつのめり込んでいき、その活動の中で生まれていく人間関係や心情の細かな動きがリアルに伝わってくる作品でした。大学生という自由な生き方ができるときに遊び怠けるのではなくて、一つのことに熱中する主人公を見ていると青春を追体験しているかのような感覚に浸れます。テニスシーンの描写も上手く、実際にはコートの中でのやり取りがイメージできました。(20代男性)

「青が散る」の関連テーマ

「学校の階段」櫂末高彰

学校の階段

<あらすじ>
季節は春―高校生活を楽しく送れるラク~な部活に入るため見学に余念のない神庭幸宏は、ある日、校内を走り回る「階段部」なるものと出会う。学校非公認、邪魔もの扱いの部にムリヤリ体験入部させられた幸宏だったが、ひたむきに「階段走り」にかける部員たちの姿に自分の中に芽生えた欲求に気づく。「とにかく走りたい!」そして幸宏は駆け出す!ビバ青春の無駄足!真正面から「若さ」を描く第7回えんため大賞「優秀賞」受賞の学園グラフィティ。

階段を走ることに憑りつかれた部活と青春物語

ただ階段を走っているだけの部活というのが衝撃的だった。しかも、非公認の部活で周囲には迷惑がられているというのにそれでも階段を走り続けるのがある種の執着と狂気を感じ、少し引いた。
しかし元陸上部エースや生徒会執行部やインドア眼鏡など個性の強い部員たちが、真面目に階段レースをするというのが面白いので是非読んでみてほしい。
くどいようだが、彼らは至極真面目に学校の階段を走っている。何なら、階段だけでなく廊下、屋上、グランド、果ては壁など走れるならありとあらゆるところを走る。どこまで、走るつもりなのだろうか読んで確認してみてほしい。(20代女性)