思わず笑っちゃう、笑える小説27選
読んで思わず笑っちゃう作品、というテーマの小説を集めました。
爆笑しちゃうものからクスクス笑えるものまで、オススメの笑える小説・エッセイを27作品ご紹介!
イン・ザ・プール ドクター伊良部
作者:奥田英朗
<あらすじ>
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖…訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か
ミステリ好きにはおなじみの文学賞「このミステリーがすごい! 」で第2位となった短編集です。精神科医の伊良部一郎のもとを訪れる患者たちと彼のやりとり一つ一つが面白く、きっと読みながら吹き出してしまうので、読む場所にはご注意ください。伊良部の自由奔放な姿、患者のどんな悩みにもコメディで解決していく姿は、読んでいるこちらの気持ちを明るく楽しくしてくれます。(20代女性)
オー!ファーザー
作者:伊坂幸太郎
<あらすじ>
俺たちはいつだって、何かの試験前にいるんだ。人生は試験の連続だ。
一人の息子に父親が四人いる!? 由紀夫を守る父親〝四人組〞は賭博好きに女好き、博学卓識にスポーツ万能。事件が事件を呼ぶ、痛快家族エンタ!
一人息子に四人の父親!? 由紀夫を守る四銃士は、ギャンブル好きに女好き、博学卓識、スポーツ万能。個性溢れる父×4に囲まれて、高校生が遭遇するは、事件、事件、事件――。知事選挙、不登校の野球部員、盗まれた鞄と心中の遺体。多声的な会話、思想、行動が一つの像を結ぶとき、思いもよらぬ物語が、あなたの眼前に姿を現す。伊坂ワールド第一期を締め括る、面白さ400%の長篇小説。
男性が書いたのでなければ嘘だろう、と言いたくなるような逆ハーレムな家庭コメディ!?
高校二年生の由紀夫には母親が一人、そして父親が四人いる。
ひとつ屋根の下に六人で暮らす生活は昨日今日始まった話ではない。小さい頃から由紀夫は父親たちがひとつのテーブルを囲んんでわいわい楽しんでいるのをみて暮らしてきた。生物学的父親はひとりのはずだから父親たちはなにかにつけて由紀夫は自分に似ているといいたがったり、授業参観となればをこぞってクラスに入りたがったり。小さい頃からチームワークがいいのだか悪いのだかのこの父親たち、由紀夫が誘拐されて拘束されて監禁されている中も、黙って警察に届けて終わりなんてはずはない。
今まで読んだ男性小説家の書いた本の中で、一番破天荒で、どろどろもべたべたもないひたすらカラッと楽しませてくれた、アクションも変な意味で激しいエネルギッシュなギャグ小説でした。(50代女性)
じい散歩
作者:藤野千夜
<あらすじ>
明石家は夫婦あわせて、もうすぐ180歳。一家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻はそんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は自称・長女のしっかり者。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に響く、現代家族小説の傑作!
あなたの隣に本当にいるかもしれない現代家族のお話
主人公の80代のおじいさんの目線で、認知症ぎみの80代の妻と全員独身のおじさん年代である3人の息子たちが全員ポンコツで、よく考えるととんでもなく悲惨な状況なのに深刻さが全く感じられない。さらっと明るく日常が淡々と描かれている点が面白くもホロっとさせられて絶妙な味があり、ときどきツッコミを入れたくなる。(50代女性)
スメル男
作者:原田宗典
<あらすじ>
岡山から上京して東京の大学に通うぼく・武井武留は、母親を亡くした喪失感のためか、無嗅覚症になっていた。東大で作物の研究をしている親友・六川が、ぼくのために「臭い」の研究もしてくれるが研究所で事故死する。悲嘆にくれていると六川の恋人だったというマリノレイコが現れ、六川からぼく宛の荷物だと言ってシャーレを持ってきてくれる。マリノレイコによるとチーズの匂いがするというシャーベット状の中身に触ったときからぼくの身に異変が起こり始める。最初は犬が騒ぎ出し、次にはぼくの臭いを嗅いだ人がみんな嘔吐。住んでいるマンションに警察が調べに来たり、ついには東京都内を巻き込む異臭騒ぎにまでなってしまう。解決の糸口が見つからないまま、こんどは謎の組織に狙われることになり、なぜか味方になってくれた天才少年たちやマリノレイコといっしょの逃亡劇に!
この作品は主人公の体臭が臭すぎて、東京中に広がってみんなを苦しめているという馬鹿馬鹿しいけれどスケールの大きい設定が面白いです。
しかもただ馬鹿馬鹿しい物語で終わるのではなく、臭いについての謎が解明されたり、スリリングな展開になったりと、予想できない方向へと進んでいきます。物語が進むテンポもかなり良いので、あっという間に読みきれてしまいます。(20代男性)
成瀬は天下を取りにいく
作者:宮島未奈
<あらすじ>
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
発売前から超話題沸騰! 圧巻のデビュー作。
成瀬と友達になりたい
タイトルからはどんな小説なのか想像もつかなかったし、どんなストーリーなのかと聞かれても上手く答えらない。だが間違いなく言えるのは成瀬というキャラクターがとんでもなく魅力的だったということ。爆笑はしないもののくすっとまたはにやりと笑える場面が多く、また予想外の展開もあり、読み終わったときにとてもすがすがしく満足度の高い小説だった。(40代女性)
ぼくたちと駐在さんの700日戦争
作者:ママチャリ
<あらすじ>
時は1970年代。田舎町に住むヤンチャでムチャな男子高校生7人と、町の駐在さんが繰り広げるイタズラ合戦。 「レーダー測定(ねずみ捕り)で自転車は捕まるのか!?」に始まる、バラエティ豊かな“ぼくたち”の作戦と、法すれすれのリベンジを繰り返す“駐在さん”の大人げない(?)攻防戦。 おバカで笑えて、熱くて泣ける、(半分)実話の人気ブログ小説、待望の電子化!
とにかくおバカです(笑)
高校生たちが駐在さんにイタズラをしかけ、駐在さんも大人気なくやり返すのですが、そのイタズラがバカバカしくて笑っちゃいます。イタズラをするのに読んでいて不快な気持ちにならないのは、登場人物がおバカ故にピュアすぎるからでしょう。そのズレたやり取りもとても笑えます。
人前で読むとニヤニヤしちゃうので、一人の時に読むことをおすすめします。(20代女性)
ハードボイルド・エッグ
作者:荻原浩
<あらすじ>
私の名は最上俊平。私立探偵だ。フィリップ・マーロウを敬愛する私は、ハードボイルドに生きると決めているが、持ちこまれるのはなぜかペットの捜索依頼ばかり。正直、役不足である。そろそろ私は変わろうと思う。しかるべき探偵、しかるべき男に―。手始めに、美人秘書を雇うことを決意したが、やってきたのはなんとも達者な女性で…。心優しき私立探偵とダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻きこまれた殺人事件。くすりと笑えてほろりと泣けるハードボイルドの傑作
ハードボイルド探偵に憧れてる男の物語
アメリカのハードボイルド探偵に憧れてる男の物語。本人は殺人などの大きな事件を解決する探偵のつもりですが実際はペットの捜索などがメインの仕事。
秘書募集の求人にきた女性とひょんな事から遂に巡ってきた難事件に向かっていきます。
カッコ悪いんだけどどこかカッコ良い主人公の探偵に笑いながらも感動出来る作品。(40代男性)
任侠書房 任侠シリーズ
作者:今野敏
<あらすじ>
日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、今時珍しく任侠道をわきまえたヤクザ。その阿岐本組長が、兄弟分の組から倒産寸前の出版社経営を引き受けることになった。舞い上がる組長に半ば呆れながら問題の梅之木書房に出向く日村。そこにはひと癖もふた癖もある編集者たちが。マル暴の刑事も絡んで、トラブルに次ぐトラブル。頭を抱える日村と梅之木書房の運命は? 「任侠」シリーズ第一弾(『とせい』を改題)。
ヤクザもつらいよ、浪花節だね任侠は…
今野敏さんによる任侠シリーズ。
真面目なヤクザの阿岐本組が、色んな経営困難な状態に陥っている企業体を、ヤクザ的な手法で、見事に立ち直らせていきます。組長と組員のあいだに挟まる中間管理職的存在の、代貸日村の苦悩がとてもおかしくて笑えます。とにかく掃除を徹底してやるところは、東京ディズニーリゾートにも通じるところがあり、とても勉強にもなります。(50代男性)
歪笑小説
作者:東野圭吾
<あらすじ>
新人編集者が目の当たりにした、常識破りのあの手この手を連発する伝説の編集者。自作のドラマ化話に舞い上がり、美人担当者に恋心を抱く、全く売れない若手作家。出版社のゴルフコンペに初参加して大物作家に翻弄されるヒット作症候群の新鋭…俳優、読者、書店、家族を巻き込んで作家の身近は事件がいっぱい。ブラックな笑い満載!小説業界の内幕を描く連続ドラマ。
小説業界の裏側を垣間見れるような作品です。短編集のような形ですが、ストーリー一つ一つに繋がりがあり、東野さんらしい巧妙な書き方だと思いました。
編集者であったり、小説家であったり、普段知る由もない仕事の世界の中で繰り広げられるやり取り、駆け引きが新鮮であり、そしてその秀逸さに驚き、ついつい笑ってしまう場面がたくさんありました。(30代女性)
老後の資金がありません
作者:垣谷美雨
<あらすじ>
「老後は安泰」のはずだったのに!後藤篤子は悩んでいた。娘の派手婚、舅の葬式、姑の生活費…しっかり蓄えた老後資金はみるみる激減し、夫婦そろって失職。家族の金難に振り回されつつ、やりくりする篤子の奮闘は報われるのか?ふりかかる金難もなんのその、生活の不安に勇気とヒントをあたえる家計応援小説。
しっかり貯金をして老後の備えを万全にし、ゆっくり老後を楽しみたいと思っていた主人公に次々と災難が起こりますが、周りの人やいろいろな事情に振り回されながらも奮闘していく姿がとにかく痛快で笑えます。シリアスなテーマですが、コントやギャグを見ているような感覚で一気に読めます。キャラクターが生き生きしていて、面白いです。
2021年に天海祐希さん主演で映画化されました。(60代女性)