思わず笑っちゃう、笑える小説27選
恋文の技術
作者:森見登美彦
<あらすじ>
京都の大学院から、遠く離れた実験所に飛ばされた男が一人。無聊を慰めるべく、文通修業と称して京都に住むかつての仲間たちに手紙を書きまくる。文中で友人の恋の相談に乗り、妹に説教を垂れるが、本当に想いを届けたい相手への手紙は、いつまでも書けずにいるのだった。
主人公はちょっとおバカでユーモアたっぷりな男子学生。そんな彼が知人と手紙のやりとりを行う模様を描いたちょっと変わった見せ方の小説です。
同じ学校との女子との笑えるちょっとした揉め事や、年下男子に女子の魅力を説くなど、この年齢の男性ならではのユーモラスな展開にクスリと笑えるものがありました。手紙でのやりとりはポップな文体で綴られるので、小説のビギナーでも読みやすいと思います。(30代男性)
ロマンス小説の七日間
作者:三浦しをん
<あらすじ>
海外翻訳を生業とする20代のあかりは、現実にはさえない彼氏と同棲中。そんな中ヒストリカル・ロマンス小説の翻訳を引き受ける。最初は内容と現実とのギャップにめまいを感じていたが……。
海外翻訳家のあかりは、ヒストリカル・ロマンス小説の翻訳を引き受けます。同棲中の彼氏が突然仕事をやめて帰ってきたりと、小説の中で繰り広げられる姫のロマンスとはかけ離れた日常生活に翻弄されているうちに、あかりの翻訳は原文から逸れとんでもないことに…。というお話ですが、この逸れに逸れまくったあかりの翻訳文がまた面白いのです。
あかりの日常とリンクしながら暴走してゆく物語に目が離せません。仕事としてそんなことして大丈夫かと笑いながらも、でもこのまま駆け抜けた結末が見たい!と最後まで一緒に駆け抜けたくなる一冊です。(40代女性)
ためいき坂 くちぶえ坂―松鶴と弟子たちのドガチャガ
作者:笑福亭松枝
<あらすじ>
六代目松鶴とその弟子たちのおかしくも哀しいお話をユーモアたっぷりに松枝タッチで描いた笑撃の青春記。七代目襲名騒動の裏話も…。
7代目襲名騒動が描かれてていますが、内容のほとんどは6代目松鶴の駄目っぷりです。破天荒な人で知られていますが、ときどき弟子への心配りが行われおり、人情味を感じることができます。いろいろな弟子がいますが、それぞれが師匠から認められたいと頑張る姿には感動します。ずっと笑っていましたが、思わず涙してしまうシーンもある作品です。もっとに世間に広く認められる作品だと思います。(40代女性)
陽気なギャングが地球を回す
作者:伊坂幸太郎
<あらすじ>
を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ! 奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。著者ブームの引金となった、ハイテンポな都会派サスペンス!
笑える銀行強盗たちの物語
とにかく登場人物たちのキャラクターが濃いです。銀行強盗なのにそんなに面白くてどうするんだ、というぐらいにキャラクターが濃くて話が上手な登場人物が多いです。堅気とは違うからこそ面白い場面がたくさんあります。また、セリフには英語の格言を日本語に直訳したものなども登場していて、日本語表現としてはなじみがないその言い回しもまた、くすっと来てしまいます。(30代女性)
夜は短し歩けよ乙女
作者:森見登美彦
<あらすじ>
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!
京都が舞台の恋愛ドタバタ青春喜劇
マイペースな後輩「黒髪の乙女」を好きな先輩が、偶然を装って接点を作ろうと頑張る姿が涙ぐましくも面白いです。先斗町や古本市、大学の学園祭と不思議なエピソードも満載で楽しく、大抵の事には全然めげない乙女にはすごいなぁと感動も覚えます。
とにかく空回っているだけに見える先輩の恋心はどうなるのかは勿論、周りのクセのある人物たちの変化も見どころです。(60代女性)
「夜は短し歩けよ乙女」の関連テーマ
バイバイ、ブラックバード
作者:伊坂幸太郎
<あらすじ>
星野一彦の最後の願いは何者かに“あのバス”で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」―これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。
主人公の星野は「あのバス」でどこかに連れて行かれる運命だった。しかし、どこかに連れて行かれる前に、星野は5股していた女たちのところをたずねることに。それも、何もかも規格外の繭美と共に。予想できないストーリー、面白すぎるシュールな表現とともに、くすりと笑える伊坂ワールドに、どうぞ足を踏み入れてください。(20代女性)
笑う招き猫
作者:山本幸久
<あらすじ>
男と並んで愛誓うより、女と並んで笑いを取る、それが二人のしあわせなのだ!駆け出しの漫才コンビ、『アカコとヒトミ』。超貧乏で彼氏なし、初ライブは全く受けずに大失敗。おまけにセクハラ野郎の先輩芸人を殴り倒して大目玉。今はぜんぜんさえないけれど、いつかはきっと大舞台。体に浴びます大爆笑―。夢と笑いとパワーあふれる傑作青春小説。
この本は女お笑い芸人の2人が主人公です。なかなか芽が出ないお笑いコンビの2人の仕事、日常、人間関係などが描かれています。ちょっと悲しいことでも、お手前のツッコミと明るさで乗り越えていく2人に元気がもらえ、思わず笑ってしまうおもしろさがあります。全体的にさらっと読めてしまうぐらい、リズム感と勢いがある内容で読みやすくおすすめです。(30代女性)
四畳半神話大系
作者:森見登美彦
<あらすじ>
私は冴えない大学3回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。悪友の小津には振り回され、謎の自由人・樋口師匠には無理な要求をされ、孤高の乙女・明石さんとは、なかなかお近づきになれない。いっそのこと、ぴかぴかの1回生に戻って大学生活をやり直したい! さ迷い込んだ4つの並行世界で繰り広げられる、滅法おかしくて、ちょっぴりほろ苦い青春ストーリー。
舞台は四畳半、しかしながらそのストーリーはやたら壮大で偏屈で、著者にしか紡ぐことが出来ない圧倒的な森見登美彦ワールドが際限なく広がっています。一室で繰り広げられているとは思えない想像力の豊かさに脱帽せざるを得ません。
とんでもなくくだらない唾棄すべき大学生が不思議と憎めないのもポイントになっていて、笑いを誘います。(20代女性)
やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。
作者:渡航
<あらすじ>
孤独に負けず。友達もなく、彼女もなく。青春を謳歌するクラスメイトを見れば「あいつらは嘘つきだ。欺瞞だ。爆発しろ」とつぶやき、将来の夢はと聞かれれば「働かないこと」とのたまう―そんなひねくれ高校生・八幡が生活指導の先生に連れてこられたのは、学校一の美少女・雪乃が所属する「奉仕部」。さえない俺がひょんなことから美少女と出会い…どう考えてもラブコメ展開!?と思いきや、雪乃と八幡の残念な性格がどうしてもそれを許さない!繰り広げられる間違いだらけの青春模様―俺の青春、どうしてこうなった。
本作は、何とも悲しいぼっち生活を歩まざるを得なかった比企谷八幡を主人公とした青春群像劇です。ヒッキーこと比企谷は、とんでもないひねくれた思考の持ち主であるため、あらゆる事象を彼ならではの視点で見極め、時としてそれが思わぬ展開を運んでくるのが、本作の面白いポイントになります。また、彼を取り巻く環境に変化が見えてくるところも見どころです。(20代女性)
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素敵な日本人
作者:東野圭吾
<あらすじ>
一人娘の結婚を案じる父に、娘は雛人形を指差して大丈夫という。そこには亡き妻の秘密が……。(「今夜は一人で雛祭り」)独身女性のエリーが疑似子育て体験用赤ちゃんロボットを借りたところ……。(「レンタルベビー」)世にも珍しい青色の猫。多くの人間が繁殖を目論むが……。(「サファイアの奇跡」)日本人に馴染み深い四季折々の行事を題材にした4編と、異色のミステリ5編を収録!
東野圭吾のブラックユーモアの効いた作品が好きでよく読むのですが、こちらはタイトルが「素敵な日本人」だったので最初真面目な作品かと思いましたがクスリと笑える物語が集まった短編集だったので購入して読みました。
おすすめは「レンタルベビー」です。短い作品にも関わらずどんでん返しがいくつもあり、最後のオチは人に話したくなるくらい面白く、でも完全に有り得ないフィクションとも言えない…こんな時代が今後来るかしれない…と考えさせられる内容でした。(30代女性)